「日本は最も戦略描けぬ国」(朝日) – 中村正董

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2011年10月5日
復旦大アメリカ研究センター教授 呉 心伯(ウー・シンポー)「日本は最も戦略描けぬ国」(朝日) – 中村正董(まさのぶ)
中国が外交姿勢を変えてきた。背景にあるのは、国際社会に存在感を強めた自信か。国内の政治事情か。どう読み解き、日本はどう対応するのか。中国は日本をどう位置づけているのか。が朝日のテーマ。呉氏の分析は分かりやすく明快なのでご紹介します。

  1. 中国外交の三つの目標:
    1. 「安定且つ平和的な周辺環境をつくること。」20年前と変わっていない。例えば、朝鮮半島問題は混乱を避けることで、国内の安定と経済的な負担を避けたい。南シナ海の領土問題も同じ。
    2. 「積極的に海外での国家利益を増やすこと。」海外投資は増えた。石油・金属など資源、食料の輸入が必要。中国が発展し、世界経済と融合した結果。今後、海外依存度は更に高まる。
    3. 「大国として積極的に国際的な責任を果たす。」かつては国際的に大きな責任を負うことを望まなかった。08年金融危機後、情勢が大きく変わった。国際社会が中国に相応の責任と負担を求めている。中国は積極的に貢献すべきだ。
  2. 中国の国際社会への貢献とは? 対日関係は?
    1. ソマリア沖に海軍を派遣、PKOへは安保理常任理事国中最大の人員を派遣。金融危機後、IMFに500億ドルを拠出した。
    2. 対日関係は、中国外交上大変重要。日本は隣国で大国だ。ただ、中国側に挫折感がある。日本の首相が余りに早く代わりすぎる。政治資源の無駄遣いだ。中国の大国外交で、対日関係が最も困難。明確な政策は出しづらく、野田首相にも、現状維持になるだろう。
    3. 日本の対米、東南アジア外交を見ると「中国の脅威」が背景にある。こうした政策が続くと政治的緊張が絶えない。
    4. 中国にとって、外交上最も重要な国は米国。国際社会での役割を果たすのに米国の協力が必要。
    5. 中国の政治体制につき、金融危機以降、民主国家の多くはその優越性を認めた。経済発展の効率も高い。民主国家に以前の優越性がなくなった。中国は自信をつけている。

以上