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2006年11月 アーカイブ
ミュージカルの主流はヒット映画の舞台化 [松島恵之]
コンサート型ミュージカルの凋落
筆者は半年に1回NYを訪ね、滞在中に6本ほどのミュージカルを観ることにしている。驚くのは半年の間に消えてしまう公演がいくつもあることだ。19年も続いている「オペラ座の怪人」などがあるのとは対照的だ。
「キャッツ」の後のウィンター・ガーデン劇場で「オペラ座~」並みのロングラン公演になりそうなアバの楽曲を使った「マンマ・ミーア!」。人気歌手やグループのレパートリーからミュージカルにする傾向は、「マンマ・ミーア!」の大ヒットで一時は主流になりかけた。このコンサート・スタイルのミュージカル(ジュークボックス・ミュージカルと呼ぶ人もいる)は、その後に続くビリー・ジョエルの「ムービング・アウト」辺りは健闘したものの、エルビス・プレスリーの「オール・シュック・アップ」、ジョニー・キャッシュの「リング・オブ・ファイア」、ビーチ・ボーイズの「グッド・バイブレーションズ」、ジョン・レノンの「レノン」などの不振でいつの間にか傍流になってしまった。昔懐かしいヒット曲を流せばそれで客が来るのか、創造性に欠けている、と批判されている。ロンドンでヒットを飛ばしている期待のクイーンの「ウィー・ウィル・ロック・ユー」はラスベガス止まりで、ブロードウェイへの進出は噂だけ。ただフランキー・ヴァリとフォー・シーズンズの「ジャージー・ボーイズ」は客の入りが良い。ジャージーを着た少年と言う意味では無く、NYの隣の州、ニュー・ジャージー(NJ)の略がジャージー。1960年代にNJで育った不良少年4人組が、人気絶頂のポップ・ミュージック・グループになる過程を描いているだけに、リアルタイムで知っている中老年の多くの観客たちは地元NJからハドソン河を渡って応援しに来る。彼らの大ヒット曲「Sherry」「Can’t Take My Eyes Off You」などになると劇場中が歌いだす。おまけに今年はトニー賞のベスト・ミュージカルを受賞しているので尚更だ。しかし舞台は期待したほどは盛り上がらない。私見を言わせて貰えば、今年のトニー賞は「ドラウジー・シャペロン」に与えられるべきだったと思う。事実ノミネート数は「ドラウジー~」が13に対して「ジャージー」は8で、「カラー・パープル」や「パジャマ・ゲーム」よりも下である。
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