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2007年02月04日 15:54に投稿されたエントリーのページです。他にも多くのトピックエントリーがあります。メインページやアーカイブページをご覧下さい。
« ミュージカルの主流はヒット映画の舞台化 [松島恵之] | メイン | 日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (1) 渥美 育子 »アメリカの消費税 地方自治体の税源 [塚越 至]
日本では消費税率の引き上げが話題になっているようなので、先輩格のアメリカの消費税を記してみよう。
アメリカに消費税が初めて導入されたのは1930年のミシシッピー州だった。現在では45州が消費税を徴収している。
逆にいえば、消費税が存在しない州が5つあり、ここでも州法が優先するアメリカらしい税制の採用になっている。この5州は、ニューイングランドのニューハンプシャー、東海岸中部のデラウェア、ロッキー山中のモンタナ、西海岸のオレゴン、そしてアラスカの諸州である。
同じ消費者が負担する間接税であっても、日米の間には大きな相違がある。
日本では消費税率5%のうち、4%は国庫に、残りの1%が地方消費税として徴収されている。アメリカでは連邦政府は関与せず、全額を州が徴収し、傘下の郡に一部を配分する地方税だ。
納税の仕方も異なる。日本では、製造業者が卸売業者に商品を販売すれば、先ず製造業者がその売上の5%を、そして卸売業者が小売業者に再販売すれば、卸売業者はその売上の5%から製造業者が納めた5%を差引いた額を納め、その後も順次同じ方式で納める。
これに対して、アメリカでは、消費者に販売する最終販売業者が税を納め、この間の製造業者や卸売業者には消費税の納税義務はない。
日米共に消費者が税を負担することには違いがないが、日本では取引税としての性格が濃いといえよう。
税率もアメリカでは州によってバラバラで、ハワイ州では4パーセントと低率だが、アーカンサス州では11.5パーセントにものぼる。
州の財源は、個人と企業に賦課する所得税と消費税、そして固定資産税に依存するのが普通だが、上記のように消費税が無い州があり、他方では所得税を徴収しない州がある。固定資産税の内容も州や市町村によって様々だ。
消費税が無いオレゴン州には所得税があり、北隣りのワシントン州では消費税を徴収する代わりに所得税がない。ケンタッキー州は所得税と消費税の双方を徴収するが、南隣りのテネシー州は消費税があるが所得税がない。
所得税を徴収しない州は、現在9州ある。アラスカ、フロリダ、ネバダ、ニューハンプシャー、サウスダコタ、テキサス、ワイオミング、それに先に記したテネシー、ワシントンの各州である。
連邦税はどの州にも均一に適用されるが、州税や市町村税を合わせた税率は、州によってはかなりの格差があることになる。
税金に対しては過剰に反応する国民性の土地柄だ。消費税を回避しようと、消費税がない州で商品を購入するケースが発生する。衣料や食品などの消費財や、レストランでの支払いではその目的を達することができる。
しかし、価額が高いものには「use tax」が待ち伏せしている。例えば、マサチューセッツ州の住民がニューハンプシャー州で車を買い自宅に持ち帰ったとすると、消費税がないニューハンプシャーでは税金を払わないで済ませることができる。しかし、車は居住地での登録が義務付けられているために、この住民はマサチューセッツ州の消費税額に相当する「ユース・タックス」を納めないと、州内で車を登録できず、自動車保険も購入できないことになる。このように多額の消費税を免れることは事実上不可能といえる。
消費税が存在する州でも、すべての商品に消費税が課せられるわけではない。ほとんどの商品に消費税が賦課される日本とはこの点でも異なる。
消費税の税率が6パーセントのケンタッキー州では、食料品の一部は課税対象から除かれ、供給者に課せられるガソリン税があるために、ガソリンも同じく対象外だ。
消費税は月初に前月分を自己申告する制度になっている。食料品や雑貨も売るコーナーを備えガソリンは自動ポンプ方式になっている当地の典型的なガソリン・スタンドでは、消費税の対象額は売上の2割前後が平均のようだ。
どれを課税対象にするかに、それぞれの州政府の考えが反映されていることになる。
従来は有形の物の売買が主であり脱税のチャンスは少なかったが、経済がサービス社会に移行すると、消費税の対象外の取引が益々拡大する。各州政府の課題は、今後拡大する一方のサービス業態に対して、どのような税法を適用するかにある。
更に今後の懸案としては、州をまたがって物やサービスが売買されるインターネット上の商取引に対する対策であろう。筆者は書籍などをインターネットで購入するが、消費税を加算する業者とそうでない業者が混在するのが現状だ。
インターネット取引による課税漏れは、2006年には265億ドルに達するそうだ。
アメリカの地方自治体の税収の傾向としては、所得税を軽減、あるいは全廃し、消費税に依存する、直接税から間接税への移行が顕著である。ジョージア、サウスカロライナ、そしてミズーリの各州で所得税の廃止に踏み切る動きが見られる。ミズーリ州の場合は税源を消費税率の引き上げで対応する考えだ。
日本も中央政府が地方に税収をばら撒く時代から、県や市町村が各自の税収入によって自治体のサービスを賄う時代に突入している。夕張市での財政破綻とその対応策に伴う緊縮財政で、納入する税額が享受するサービスの内容や質に見合わないと逃げ出す住民が出現しつつあることが報じられた。
アメリカでは従来から、各自治体は如何に住民や企業を誘致するかを独自の税制を駆使して競い合っている。土地に拘ることの少ないお国柄故、これからも消費税や固定資産税の改変や、所得税率の見直しが続くこととなろう。
日時: 2007年02月04日 15:54 | パーマリンク
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