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   <title>国際会計基準への転換 - 低価法とは？ (塚越 至)</title>
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   <published>2008-01-18T16:56:23Z</published>
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      今回は国際会計基準に準拠して本年4月から始まる会計年度に強制的に適用されることになっている棚卸資産（在庫）の評価方法である「低価法」を説明してみよう。

1992年にミス日本に選出されたこともある新進の公認会計士松尾絹代さんがしばらく前にこれをネット上で解説していた。松尾さんは、その年のミス日本のグランプリは現タレントの藤原紀香に譲ったものの、工学部船舶海洋工学を専攻する東大生として話題になった女性だ。卒業後はフリーのアナウンサーとしてテレビに出演していたが、イタリアの高級ブランドであるブルガリの日本法人に就職したことをきっかけに公認会計士を目指すことに転換し、1999年公認会計士2次試験に合格、太田昭和監査法人（現、新日本監査法人）に入所。2003年に公認会計士に登録されている。


      こういう美人の説明だと、居眠りも出ないのであろうが、この棚卸資産の低価法適用は些かややこしく、ビジネスマンの間でも十分理解されていない嫌いがある。しかし、企業の資産では大きな比重を占める在庫の評価方法であり、基本的な考え方は理解して置くべきだ。

これまでの日本の会計基準の原則は原価法で、所有する在庫は取得原価額がそのまま計上されてきた。これに対して、国際基準では在庫価値の変動を財務諸表に反映させるべく、各期末にすべての在庫価値の再評価を行ない、価値が減じている場合には評価損を計上することを義務付けている。

技術革新や競合、消費者の嗜好の変化が激しい現代では、素材や商品を購入してからその販売が完了するまでの間にそれらの公正価値が変動する可能性が高い。

日本の方式では、その減額分は販売が完了した段階で期待利益の減や、時には赤字販売として明るみにされるが、国際基準では在庫期間中にもその変動を把握して開示することを求めている。貸借対照表を重視したより厳格な保守主義に準拠しているといえよう。

この国際基準は「低価法」と訳されている。日本語の特徴で数語に凝縮しないと専門用語として通用しないことからこの訳語が使われているが、原語は「Lower-of-Cost-or-Market Method」で、懇切丁寧に何と何を比べて低い方を採用すると解説が挿入されている。

棚卸資産の原価（Cost）と時価（Market）とを比べ、どちらか低い方を採用するのだが、時価とは基本的には再調達時価（Current replacement cost）を指す。注意すべきは、この時価に上限と下限を設けていることで、時価とは次の３種類になる。

（１）再調達時価（Current replacement cost）通常の仕入や生産を前提とした場合の時価。

（２）正味売却価額（Net realizable value）販売によって得られる予想収益から販売に必要な経費、例えば販売要員の人件費、代理店手数料、梱包費などを差引いた額。即ち、翌期に販売した際に売上利益がゼロとなる価額を指す。これを時価の上限とする。

（３）正味売却価額から正常な売上総利益を差引いた額（Net realizable value reduced by normal profit margin）。その会社の過去の実績から算出される平均売上総利益率を実現するであろうと期待できる価額で、これを時価の下限とする。

この３種類の数字を比較して時価を選択し、その数字と原価とを更に比較して、どちらか低い値を評価額とする。

単純化した実例を下記に示してみる。

商品　　　　　　　　Ａ　　Ｂ　　Ｃ　　Ｄ
販売価格   　　　　　80　　80　　80　　80
販売に必要な経費　　10　　10　　10　　10


（１）再調達時価　　　　　　　　　　55　　　55　　72　　65
（２）正味売却価額(上限)　　　　　　 70　　　70　　70　　70
（３）正常な総利益を引いた額(下限) 　60　　　60　　60　　60
（４）取得原価　　　　　　　　　　　45　　　65　　71　　68
（５）低価法による評価額　　　　　　45　　　60　　70　　65
適用　　　　　　　　　　　　       取得原価　 下限　 上限　再調達

以上の例からお判りの通り、低価法は評価する当事者の「予想」の設定に大きく影響される。果たして棚卸資産の価値をどこまで客観的に明らかにできるか疑問だとの批判があるのはそのためだ。

また、棚卸資産は、原材料、仕掛品、完成品在庫と広範囲に及び、これをすべてのアイテムに渡って各期末毎に見直しすることは大変な力仕事が伴い、かなりの労力と経費が掛かることになる。

日本の優れた在庫管理手法であるジャストインタイム・システムでは在庫は常に最小必要限で、自動車産業などでは総在庫額が仕掛品を含めても数日分のような例もあり、在庫をタップリ持つ旧式の経営を前提とした時代遅れの手法と非難する向きもある。
　
更に、会計学の理論面からも、この低価法によって期間利益が平準化されてしまう結果、企業の収益性を長期的に分析する上で欠かせない損益計算書が実態を正しく表示せず、会計原則に矛盾すると指摘する専門家もいる。貸借対照表を重視し過ぎることが、損益計算書の役割を阻害する結果となっているとも考えられる。

しかし、国際基準ではこれを義務付けていて有無を言わさぬ状態にあり、企業経営者は避けて通れない。冒頭に記したように、美人の才女でさえこれを話題にせざるを得なくなっているのだ。


以上


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   <title>紐育(ニューヨーク)と大阪 - 廣川　謙一</title>
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   <published>2008-01-18T16:32:54Z</published>
   <updated>2008-01-18T16:46:16Z</updated>
   
   <summary>アメリカに住んで通算十八年になる。紐育(ニューヨーク)に行く度に、何故か大阪を思い出す。グランドセントラルに到着すると、大阪梅田の様な気がするし、ペンステーションに行くと、ふと難波を思い出す。中華街(...</summary>
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      アメリカに住んで通算十八年になる。紐育(ニューヨーク)に行く度に、何故か大阪を思い出す。グランドセントラルに到着すると、大阪梅田の様な気がするし、ペンステーションに行くと、ふと難波を思い出す。中華街(チャイナタウン)の雑踏は、大阪ミナミを思い出させるし、タイムズスクエアのネオンのケバさ加減も、出している会社の名前も、道頓堀周辺などと変わらない。碁盤の目の様な一方通行の道路だって、紐育(ニューヨーク)と大阪は似ている。

人だって、紐育人(ニューヨーカー)と大阪人はよく似ているように見える。横断歩道の前に立ってみればよくわかる。どちらの町でも、歩行者は横の信号を見ていて、点滅が始まるともう歩き始める。信号が青になったときには、既に道を渡り終わっている。車だって、二車線を三台並んで走っても平気。割り込み、違法駐車、二重駐車ぜんぜん気にしない。生活ぶりも、普段は質素だが、使うときは綺麗に使う。

紐育(ニューヨーク)も大阪も実利主義だ。そして、どちらも油断していると、騙される。権威が嫌い。東京の電車の中で関西訛りを気にせずに大声で喋っている大阪人と、どこへいっても紐育(ニューヨーク)訛りを直せない紐育人(ニューヨーカー)は、似たようなメンタリティー気質
を持っているのだろう。

アメリカで成功している企業を見ると、長期に亙って成功している日系企業は不思議と関西系が多い。松下電器やサンヨーは明らかに関西系だし、ソニーも井深大氏は大阪出身、盛田昭夫氏は名古屋出身だが、大学は阪大だ。大阪の空気をいっぱい吸ったに違いない。コマツは出身こそ石川県だが、大阪の枚方が大きい。コマツアメリカで長年社長を勤め、キャタピラーをさんざん苦しめた故中村建一氏も大阪出身だ。そういえば、紐育(ニューヨーク)で会う日本人の中に関西訛りの人が多いような気がするのは錯覚だろうか。（なぜか、京阪電鉄沿線の会社ばっかりやなぁ！ 霊験名水「淀川の水(サクセスウオーター)」の瓶詰でもアメリカで売ったろかな？）

大阪のコマーシヤル宣伝は、どう考えても紐育(ニューヨーク)のコメデイー話芸のノリである。大阪府警の駐車禁止の取締りのためのコマーシヤル宣伝や、キンチョー、タンスにゴン等、アメリカのギャグである。たぶん東京のエエカツコシイ広告代理店には無理。

一方、不思議なことに、日本で成功している外資系企業も、立上りが早いのは関西に最初の本社を置いた会社だ。たとえば、Ｐ＆Ｇ、ネスレ、ユニリーバ等おそらく日本人は既に外資だとは思っていないほど、日本に浸透している。大阪を制すれば、日本を制す。

「モーヤン」こと山本猛夫氏は、小学校卒業後、丁稚奉公から一代で大阪いたちぼり立売堀で山善を築きあげた。花登筺の痛快小説「どてらいヤツ男」の、あの主人公の「モーヤン」です！ そうそう、幸之助ハンかて、小学校卒業で、何と世界制覇でっせ。アメリカンドリーム浪花の夢どころか、ワールドドリーム世界の夢でっせ！大阪も紐育(ニューヨーク)も知恵と努力でなんぼでも成功できる。

大阪浪花のド根性は意外と紐育っ子(ニューヨーカー)の心意気と近いのかもしれない。

*　*　*


紐育(ニューヨーク)にアメドリという日本人向けの刊行物がある。その社主の板越ジョージさんがメールマガジンに「ニューヨーカーの条件」という連載をしておられる。読みながら、ふと大阪人を思い出した。私がここに書いたアナロジー類推は、おそらくまったくのデタラメ俗説だろうと思う。「タンツボ」と悪口をいわれた大阪と、洗練された紐育(ニューヨーク)が似ているなんて、ある訳ないじゃないか！ と怒られそうだ。きっと、まだ正月のお酒の酔いが醒めていないのだろう。でも、最後に一言、「大阪人頑張れ！」


（二〇〇八年一月二日）
      
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   <title>提携・合弁を考える  -  廣川　謙一</title>
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   <published>2008-01-18T16:25:01Z</published>
   <updated>2008-01-18T16:44:40Z</updated>
   
   <summary>提携とか合弁は不思議なものである。昨日まで競合していた（あるいは潜在的に競合関係にあった）会社同士が、今日からはパートナーとして一緒に仕事をすることになるのであるから、面白い現象によく遭遇する。 私は...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      提携とか合弁は不思議なものである。昨日まで競合していた（あるいは潜在的に競合関係にあった）会社同士が、今日からはパートナーとして一緒に仕事をすることになるのであるから、面白い現象によく遭遇する。

私は一九八五年から三菱重工業とキャタピラー三菱との合弁改定に係わった。面白い現象とは、昨日までキャタピラーがいかに優れていて自社がどれくらい遅れているかという事をいっていた三菱出身の人が、合弁を作るぞという段階になると、同じ人が掌を返したように、いかに自社が優れていて相手はだめかという議論をはじめたことである。以後、マッキンゼーやＧＥ等で二十以上の合弁・提携を見てきたが、事業計画などに合弁設立前は「あの会社はすごい会社。うちの脅威！」などと言っていたのに、交渉になると突然「わが社は世界で一番優れた会社」に変身してしまうのを何度も見てきた。合弁とか提携の交渉でこの様な議論が出てくるのは、心情的にはよくわかる。交渉を自分に有利に運びたいという気持ちがあるからである。しかしこの議論を繰り返していても建設的な合弁・提携には至らない。これをどの様に打ち破るかは合弁・提携成功の大事なステップになる。

この様な状況を克服するためには、そもそも何故提携・合弁の話をしなくてはならなくなった事情を振り返ってみると良い。たとえば、三菱とキャタピラーの場合は、それぞれ単独ではなかなか小松の脅威を無くせなかったからではなかったか。それでは、キャタピラーも三菱も小松に比べれば大したことはないのではないか。大事なのは、顧客に小松ではなく新しい合弁の製品を選んでもらうことではないか。そのためには合弁の製品、組織、運営方法を、新たに対顧客、対競合という視点で考え直すということではないか。どちらかを選択しても、結局はその欠点の拡大に寄与しても、本質的な解決にはならない。むしろ、新たにビジョンを作りお互いどのリソースを出し合って、どのように組み合わせたら、顧客に選択してもらえるか、小松に対して優位に立てるかを、一緒に考えることであろう。実際、播州平野のど真中で、何週間かマーケティング、営業、技術の各部門の人間を缶詰にして侃侃諤諤の議論をしたのを覚えている。

この様な作業を一定期間一緒にやって見ると、副次的な効果も出てくる。仲間意識が芽生えることである。これがその後の合弁・提携運営への移行をスムーズにすることに役立つということは容易に想像がつくと思う。ＧＥなども意識的にこのような事を行っている。ビジネスパートナーと会社から離れた場所で、両社の関係者を缶詰にしてワークアウトを行うのである。

*　*　*

多くの合弁・提携の交渉や設立後の運営がうまくいかないのは、「むこうの会社」と「うちの会社」という意識から、われわれという意識への頭の切替えがうまくいかないからだ。われわれとして現状認識が共有できれば、後は一緒に知恵を絞って考えることである。一緒にという点は、いくら強調しても強調しすぎることはないと思う。キャタピラーと三菱重工業との合弁が四十年以上も長続きしているのは、一緒にビジネスをするための工夫が随所に埋め込んであるからだ。


（二〇〇八年一月二日）
      
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   <title>国際会計基準への転換 - 会計の2009年問題について (塚越 至)</title>
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   <published>2007-12-10T13:47:04Z</published>
   <updated>2007-12-10T13:53:54Z</updated>
   
   <summary>「会計の2009年問題」が話題になっている。欧州連合（ＥＣ）は2009年以降、域内で資金調達する外国企業には国際会計基準または同等の会計基準の適用を義務付けることにしている。欧州で事業を展開する日本企...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      「会計の2009年問題」が話題になっている。欧州連合（ＥＣ）は2009年以降、域内で資金調達する外国企業には国際会計基準または同等の会計基準の適用を義務付けることにしている。欧州で事業を展開する日本企業は待った無しの事態に直面していることになる。

日本は過去の商習慣や伝統を重んじ、西欧流の会計基準に合わせることを拒んできた。しかし日本企業の米子会社は、しばらく前から国際基準に最も近いとされる米国基準に準拠した決算書を作成してきたことや、上記のＥＣ方針が明るみにされ、孤立を回避するために、ついに2011年６月末までに、日本も国際基準との全面的な共通化を実現することに踏み切った。

      先日、NECが米会計基準に則った開示を決算書に織り込むことができず、米株式市場での預託証券の上場を断念する事態が報道されたが、国際基準を満足しないと同じような例が多発するおそれもある。

日本の基準と国際基準の間には基本的な点で大きな差異がいくつかある。そのひとつが、企業買収の際に発生し勝ちな、被買収企業の純資産と買収価格との間に生じる差額、いわゆる「のれん代」の処理である。この「のれん代」は、日本のこれまでの会計基準では最長20年間で償却するが、国際基準では償却をせず、定期的にその価値の見直しを行い、価値が減少した際にはその会計年度中に減損処理をすることになっている。日本の考えが、のれんの価値は時間の経過に従って減じるとして、その減額分に相当する規則正しい償却費を計上するのに対して、国際基準では、買収した事業が存在する限り、買収時に評価したのれん代相当分の価値が存続して全体の事業に寄与し続けているという考え方だ。

この結果、日本基準では企業買収をした企業では、当期の税前利益から毎期毎に償却費が差引かれて決算書が作成され、法人税もその分減額される。こうして作成された決算書を今までは海外向けには国際基準に修正して公表する必要があった。海外の投資家には日本の処理方法は通じないからだ。

NECの上場廃止の理由にもあるように、国際基準は株主や投資家保護の観点から、より詳細な情報の開示を求めている。そのような例として、今回は、事業経営者だけでなく、投資目的で企業の決算書を目にする一般の投資家にも影響を及ぼす事業損益の表示方法の変更について記してみる。

今までにも外国企業のアニュアル・レポートをご覧の方は、それらの企業の損益計算が税引後利益だけで完了せず、その後に「Comprehensive Income」の記載があることに気付いておられたはずだ。これが日本では「包括利益」と呼ばれている、米国基準や国際基準が定める企業の損益を表示する方式である。これは単なる表示方法の違いだけではなく、「企業の利益」に対する大きな考え方の違いから出たもので、今回の国際基準への転換でも最も議論を呼ぶ相違点になっている。

日本の現行の表示は、我々が学生時代に学んだ方式で、企業の「税引後純利益」とは、総売上から総原価と総経費、そして当期の税金を差引いた結果で、この損益が決算書に転記されてきた。ところが、欧米では損益計算書は企業の損益を算出する上での途中のプロセスに過ぎず、貸借対照表上の当期中の資産と負債の差額である純資産の変動を「利益」と呼び、これを総括利益を称して表示してきた。貸借対照表をより重視する考え方から出ている。

包括利益は、当期利益（日本流の損益計算書から算出される利益）と「その他の包括利益」から構成されている。その他の包括利益に含まれるものには次がある（米国会計基準の例）。

１．	為替換算調整額
２．	外国企業への純投資の経済的ヘッジから生じる為替損益
３．	内部企業間における外国通貨取引から生じる為替損益
４．	キャッシュ・フロー・ヘッジを適用したデリバティブの公正価値（Fair Market Value）変動額
５．	企業年金会計における追加最小負債の純損失
６．	売却可能有価証券の未実現保有損益
７．	償還期限まで保有する予定だった有価証券の売却可能有価証券への変更に際して発生した未実現保有損益
８．	過去に減損処理した売却可能有価証券のその後の公正価値の増減額

このように、包括利益とは、企業と株主の間の取引（株主からの出資や、株主への分配）を除く、企業の資本を増減させるすべての取引をその企業の利益の算出に含める方式である。従来の損益計算書には反映されない未実現損益や評価損が反映されることから、事業当事者でない外部の者、例えば一般の投資家には、投資先の企業の実態がより明確に把握できるメリットがある。一般の投資家を重視する欧米の姿勢が現れた結果だ。

今までの慣習に慣れた日本の経営者にはこの包括利益への抵抗感が大きい。会計年度毎に各種の評価見直しの作業が増える煩わしさに加え、企業の台所事情をつぶさに外部に公表することになるからだ。

企業間で株を持ち合う場合の多い日本企業では、持ち合い株の含み資産が存在するのが通常だ。又、保有する有価証券の含み益も大きい。このような含み益が不況時や採算の苦しい時期の決算書に寄与してきた。国際基準に移行後は、これらの変動は毎期の損益に反映されることになり、いわば粉飾決算に近い決算書のお化粧が許されなくなる。含み益だけでなく、隠れた不良債権や減額した不良資産、あるいは過小評価の負債の存在もより早い時期に外部に明るみにされることになる。決算書を活用する側の投資家にとっては、透明度が高まることは大いに結構なことであろう。

包括利益の標準的な記載要領は次のようになる。

XXX, Inc.
INCOME STATEMENT
FOR THE YEAR ENDED DECEMBER 31, 20XX
Sales revenue                                 $700,000
Cost of goods sold                            500,000
Gross profit                                      200,000
Operating expenses                          120,000
Income tax expense                           30,000
Net income                                      $50,000


XXX, Inc.
COMPREHENSIVE INCOME STATEMENT
FOR THE YEAR ENDED DECEMBER 31, 20XX
Net income                                                $50,000
Other comprehensive income
    Unrealized holding gain, net of tax             40,000
Comprehensive income                               $90,000

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上


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   <title>日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (11) 渥美 育子</title>
   <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.abps-us.org/topics/2007/05/3_11.html" />
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   <published>2007-05-30T01:04:33Z</published>
   <updated>2007-06-20T14:01:48Z</updated>
   
   <summary>インターカルチュラル・ビジネスセンター社 社長 渥美 育子 法則 １０：評価の相対性原理を適用する この稿は最終回なので、私が米国で多文化／グローバル教育を始めた２２年前から、悩み、戦い、憤慨し、何と...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      <![CDATA[インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子

<strong><u>法則 １０：評価の相対性原理を適用する</u></strong>
この稿は最終回なので、私が米国で多文化／グローバル教育を始めた２２年前から、悩み、戦い、憤慨し、何とか新しい説得性のある理論を突きとめたいと望んできた「グローバル時代の評価方法」について書いてみたい。

結論を先に言えば、限定された場で正当性を持つニュートンの法則が宇宙全体にはあてはまらず、アインシュタインの相対性原理を必要としたように、これまで長い間、各国や一つの文化圏で通用してきた評価方法がグローバルな場ではあてはまらないということである。あてはまらないどころか文化圏によって価値のコードが違うため、従来の評価方法は往々にしてネガティブな結果－傲慢、蔑視、切捨て、憎悪など－を生み出してきた。地球規模で通用する新しい評価方法が、今や“待ったなし”で必要なのである。

<u>（１） Legal-Code、Moral-Codeでは評価基準が正反対</u>
Legal-CodeとMoral-Codeの文化圏では価値体系が正反対なので、当然判定の仕方も反対である。具体例と問題解決のための新しいルールを考えてみよう。

〔経験１〕 
日米では評価方法が違うと気づきショックを受けたのは８０年代の中頃、ゼロックス社のロチェスター工場で日米クロスカルチュラルセミナーの初日が終わった時であった。当時は異文化ビジネスセミナーが登場したばかりで、IBC社は草分けと見られていた。トレーニング担当のアメリカ人の男性が現れて、「質問はたくさん出ましたか？」とたずねた。とっさに私の“日本的判断”が働いて「質問がたくさん出たのは私の（英語による）説明が下手な証拠だ」と思い一瞬戸惑ったが、仕方なく「かなり」と答えた。彼は「それは良かった。上手くいった証拠だ」と評価してくれた。

帰途、飛行機の中で、「なぜ質問がたくさん出ると成功なのだろう」と自問したことを覚えている。アメリカ人が日本やアジア諸国でプレゼンを行ったら、質問が出ないので失敗したと思うだろう。しかし、質問の数より質（深さ）の方が大切なのではないか？それはインストラクターだけではなく参加者の質や能力によるものではないか？疑問は次々に湧いたが、米国における制度としての評価方法や基準はもちろん変わることはなかった。

]]>
      <![CDATA[〔経験２〕
 米国での評価については、もっと難関にぶつかった。‘形式’（Form）と‘内容’（Contents）の関係である。長い間、日米をテーマとする二日間のセミナーの場合、米国人のインストラクターと私がチームを組んで教えていた。米国では‘参加型’

（Interactive）スタイルが圧倒的に高く評価され、説明が多いとたとえ図を多く使っても‘講義型’（Lecture）としてネガティブにしか評価されなかった。質問が多いと成功というのも、内容よりも参加者を巻き込む度合いによる評価だったのだ。チームインストラクションの分担は、まず私が内容を提供し、セミナノートブックをデザインする。セミナーが始まると、私が図を用いて日米の根本的な違いについて例を挙げて説明する。米国人の彼がすぐさま参加者を巻き込んでそれを現場に落とし込んでいく。彼はなかなかの役者で、セミナ終了後の評価シートでは大抵の場合、彼に対する評価の方が上だった。私は「内容を提供しているのは日本人の私だし、外国語である英語を使って一生懸命説明しているのに努力を評価してくれない」と不満だった。米国人が外国人移住者にも同等の権利を認める代わりに文化的ハンディキャップを認めない（つまり‘参加型’が良いという基準を全てのインストラクターに同様にあてはめる）ことに気付かなかったのである。日本人が外国人には別の基準を適用するのと対照的である。後で考えると、米国人の聴衆が「日本人としてはよくやる」と拍手喝采してくれていたら、本当に彼らにアピールするパフォーマンスの仕方を自分のものにすることはできなかったに違いない。だからといって米国人の判断基準を全面的に誉めているのではない。彼らは日本人という講義型ハイコンテキスト（＝人間関係を含めて状況におぶさった判断が強い）のコミュニケーションをする人間とどうビジネスをしたら良いかを学ぶためにセミナに参加しているのだ。少なくとも半分は日本型／アジア型のコミュニケーションスタイルを体験し、評価すべきである。‘内容’と‘形式’の一致の度合いを評価基準の一つにするというのが私の考えであった。

〔経験３〕 
前に述べたように、アジアへ転勤していく米国企業の顧客とその家族が人間的にも暖かく、真剣に新しい文化について学び、支払いも期日どおり、非の打ち所がなかったので、感謝の気持ちをこめて後に続く顧客にディスカウントを申し出た。アメリカに移住して間もない頃のことである。この“人や状況”によってサービスの条件を調整するという人間関係中心の社会ではごく当たり前のやり方が、法的社会の米国では「曖昧且つ不当な価格設定」とネガティブに判定されてしまった。

このような日米での「評価の基準」の違いは挙げればキリがない。一番良く知られ、最も大きな問題を長期にわたって引き起こしたのは日米の貿易摩擦が悪化した８０年代だった。米国側は具体的な数値を摩擦解消度の判定手段として要求し、日本側は‘努力目標’を掲げた。また、日本はこれ以上できないところまで‘誠実’を尽くしていると主張したが、英語の‘Sincerity’が「言行一致」という意味なので、日本は口約束ばかりで結果が伴わないと一層非難された。
ではLegal-Code対Moral-Codeのようにコードが違うため評価方法が正反対である場合にはどのようなルールが共通ルールになりうるだろうか？

共通ルール１： 相手が１００％ネガティブに見えたら、自分がシングルレンズをかけている証拠。マルチカルチュラルレンズをかけることができれば双方のプラス面、マイナス面が見えるはず。 © Ikuko Atsumi, 2006. All Rights Reserved.

共通ルール２： マルチカルチュラルレンズをかけるために、上から世界全体を見下ろす視点（Global Perspective）を持ち、Legal-Code、Moral-Code、Regional-Code間の評価基準の違いを理解しておく。

共通ルール３： 自己の正当化、相手に対する無視/蔑視/一方的批判/攻撃は文化の相対性（絶対に正しい一つの文化は存在しない）を理解すればナンセンス。双方が評価基準の違いを理解したうえで最適化（Optimization）を考える。

共通ルール４： メガトレンドは多文化のアイデンティティを認めながら、文化の違い
を超えて世界共通ルールをつくる方向に動いていることを理解する。

<u>（２） 地域（Local／Region）の評価にグローバル性を加えるには？</u>
評価をなるべく全方向（All Round）に広げ、公平さを持たせる試みはすでに実行されている。大学で教授と学生が双方向に評価しあう制度や、企業で普及した“３６０度Review”はその良い例であろう。これを特定の場所／地域（企業の拠点や国、地域、文化圏など）においてなされる数多くの世界全体や異文化問題に関する評価にあてはめられないだろうか？ここで取り上げているのはもちろん国際機関による判定よりも、ビジネスに携わる個人や企業グループが日常のルーティンの中で下す判断や評価についてである。

〔経験４〕 ニューヨークにあるN証券米国本社でマネージングディレクター（常務・専務クラス）を対象に、日・英・米間のコミュニケーションと仕事の協力関係について、グローバルな視点から理解し向上させるためのセミナを開催した。参加者は長年の経験とノウハウを持つ米国人のビジネスリーダーたちである。フィードバックでは、N証券を真のグローバルプレーヤーにするためにこのセミナ（Contents）を米国で働く日本人の同僚に、日米両社員に、日本本社の重役に、英国／ヨーロッパ拠点、及びアジア拠点のメンバーに、全ての社員に、新入社員全員に行うのが望ましい。つまりグローバルトレーニングにしたいという意見が圧倒的だった。しかしどのような形（Form）が望ましいかについては、（ａ）グローバルな部分は導入であり短くていい（ｂ）“Cultural Motivators ”のようなツールを即刻日常ビジネスのケースにあてはめてハウツーを中心にしてほしい、従って（ｃ）グローバルトレーニングは３時間が最適であるという意見であった。

稿末の世界地域別価値観の表を見ていただきたい。（ａ）（ｂ）（ｃ）は次の理由から北米（とくに米国）という地域に特有の価値観だということがわかる。

（ａ）（ｂ）―米国人は核心へ直行する傾向が強い。グローバルな理解があって初めて部分的なハウツー（たとえば異文化間でのＥメールのやりとりや電話会議の仕方など）の根拠がわかるのだ、とは考えない。 © Ikuko Atsumi, 2006. All Rights Reserved.

（ｃ） ―常に「能率第一主義」（Efficiency First）。どんな事柄でも短い時間でキーポイントを把握する能力が自分たちにはあると信じている。グローバルなトピックを３時間で学べるかどうかという疑問は起きない。また、全社的導入といいながら、異なる文化圏で働く人たちにとって、どういう形が良いかは考えていない。

つまり、判定がグローバルではなく、非常に地域特有の好き嫌いに基づいているのである。世界中の人間が地域特有の好き嫌いを絶対視して主張しあうためこれまで起きてきた数々の紛争を、もっと大局的な視点（Global Perspective）から見て解決しようというのがグローバリゼーションの真の目的ではないだろうか？

ところでセミナの長さはどれくらいが最適かは国／地域によってかなり違いがある。一般にヨーロッパ人なら“アジア・ヨーロッパ・北米を中心とするグローバルなコミュニケーションと仕事の協力関係について事例を分析して理解を深める”には最低一週間は必要だと考え、米国人は三時間でできると言い、アジア人は相乗効果を考えて二日で妥協する。但し、シンガポール人は一日以上のセミナは我慢できない。

ここで重要なのは、グローバルにバランスのある評価をするためには＜文化の世界地図＞に照らし合わせて自分がいる地域の価値観の特徴を知ることである。そして〔評価の基準＝地域の価値観〕であれば評価の基準にもっとグローバル性を持たせる必要があるだろう。言い換えれば、自分が無意識のうちに絶対視している地域の価値観に根ざした評価基準と＜文化の世界地図＞を合わせ鏡として評価する必要があるのだ。それを行えないと、いつまでたっても自分の文化コードや既存の地域評価基準に基づく好きか嫌いで判定し、グローバルな進展を達成するのが難しい。

個人の能力についても同様のことがいえる。日本人に多い評価の一つに「事例がたくさんないと理解できない」というのがある。事例がある方が確かに理解しやすいが、事例が無いと理解できないといのは概念化（Conceptualize）する能力が足りないということでもある。概念化の重要性が理解できないと事例だけで終わって、それを使ってビジネスモデルを創るというCreativityの力が湧かない。日本文化はユニークで説明するのが難しいという人は、中国／韓国側から日本の文化を見る視点と、アジア全体の文化のダイナミズムを鳥瞰する視点に欠けているともいえる。つまり、自分の、あるいは自分の会社の評価の基準を評価できる能力こそが現在の能力を四方八方に伸ばしていく原動力になりうると言えるのである。

共通ルール５： 評価基準の中の地域の価値観を特定し、現在の自己の評価基準をグローバルに評価することができれば、能力の限界突破（Breakthrough）が可能になる。

次の表は＜文化の世界地図＞を文化圏ではなく、地域（Region）別にまとめたもので、評価の地域性を理解するベースとなる。 

<strong><u>地域別にみた基本的価値観の比較</u></strong>
<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-11-01.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-11-01.html','popup','width=672,height=837,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-11-01-thumb.jpg" width="300" height="373" alt="" /></a>


お知らせ：このシリーズに度々登場したIBC社の“Motivators ”セットが拡大され“GLOBAL NAVIGATORS ”（グローバルナビゲータ ）としてオンラインでアクセスできるようになりました。ご興味がある方はwww.ib-c.comでごらんいただくかinfo@ib-c.comにご連絡下さい。サンプルをお送りします。]]>
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   <title>日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (10) 渥美 育子</title>
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   <published>2007-05-29T01:47:24Z</published>
   <updated>2007-06-20T14:01:48Z</updated>
   
   <summary>インターカルチュラル・ビジネスセンター社 社長 渥美 育子 法則 9：バーチャルチームの多用で成果をあげる 日本人の脳内ダイナミックスをグローバルな場に拡大する方法をこれまで様々な角度から説明してきた...</summary>
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         <category term="その他" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      <![CDATA[インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子

<strong><u>法則 9：バーチャルチームの多用で成果をあげる</u></strong>
日本人の脳内ダイナミックスをグローバルな場に拡大する方法をこれまで様々な角度から説明してきた。その集大成ともいえるのが、どの国で働く人とでも必要ならば自由にバーチャルチームをつくって成果をあげていく「遠距離多文化チーム」づくりのスキルである。この21世紀に必要不可欠な能力を日本人がどのように身につけたらよいかを、これまでに受けた色々な質問に答える形で説明したい。
]]>
      <![CDATA[<u>１．バーチャルチームとは？</u>
個人主義に徹した米国人がチームの重要性を強調しはじめたのは、冷戦体制が崩壊し、グローバル時代がはじまった９１年以降のことである。そして９０年代半ばにデジタル革命が起き、その後インターネットが普及するとバーチャルチームが自然な形で必要になってきた。初期の段階では‘バーチャル’（virtual）という言葉は紛らわしいので‘遠距離’と言った方がよいという意見もあったが、欧米では‘バーチャル’という言葉は概してすんなりと受け止められてきたように思う。ところが、日本人の中には‘バーチャル’という言葉そのものにひっかかり、今ひとつ納得できないため、先に進めないという人が多くいることに気がついた。辞書を引くと‘仮想の’という訳が出てくるので、本物のチームではないのかと疑ったりして余計に判りにくいのかもしれない。

‘バーチャル’とは、‘現場’の反対、つまり実際の（physical）「場」－現場－を共有しない、という意味である。従って、バーチャルチームとは同じ場所に居ない者どうしがつくるチームのことであり、‘遠距離チーム’といつでも差し支えないし、「場」が二ヶ国以上にわたっていれば‘遠距離多文化チーム’と呼んでもいいはずだ。

しかし、面白い現象が起きている。私の場合も含めてバーチャルチームによる仕事が日常茶飯になると、その結果バーチャル空間でのチームの結びつきが強いリアリティーを帯びるようになり、脳内ダイナミックスが変化し、遠距離チームといった直接的な言い回しよりも新しい時代環境を示唆する‘バーチャル’の方が相応しく感じられるようになってきたのである。バーチャルチームに関して、今日本人にとって大切なのは、日本の企業文化の長所はチームワークにあると主張しているうちに外ではグローバルな「場」におけるバーチャルチームが進展し、日本人がチームの一員にもリーダーにもなりえなくなっているという事実にいち早く気がつくことであろう。

<u>２．バーチャルチームに不可欠なもの</u>
では、バーチャルチームをつくって成果をあげるのに絶対必要な条件とは何であろうか？
このシリーズで取り上げた成功法則の殆ど全てがバーチャルチームづくりに役立つと言えるが、まとめをかねて私が選びたいトップ５は、
（１） 共通語と共通のコミュニケーション手段をもつ
（２） 共通のゴールを含め、共通理解のプラットフォームをもち、それを協力して増やしていく
（３）（実際に会わなくても可能な）信頼の構築方法を知る
（４） 専門知識やノウハウによるヨコの連帯意識が肩書きや権力によるタテの階層意識やコントロールより重要だと考える。
（５） 相手の文化的背景にマッチする動機づけや問題解決の方法を察する能力をもつである。（２）の共通理解のプラットフォームとして＜文化の世界地図＞を利用できれば、（５）はこれに含まれるので、もう一つ、バランスの取れた世界の見方と関わり方を加えることもできる。

（１）の共通語は多くの場合、正統派の英語（King’s English）でも米語（American）でもない‘Broken English’（意味さえ通じれば文法上の正しさにはあまりこだわらない英語）であるが、これからは北京語を加える必要があるだろう。共通のコミュニケーション手段としては、E-メールの使用やインターネットの利用を考えやすいが、文化圏によって使いなれた手段や重要なメッセージを伝える手段が違うので、あらかじめとりきめをしておかないとチームを作れない。たとえば、ラテンアメリカやアジアのようなMoral Codeの国々やReligious Codeの回教国では大切な交渉は実際に会うか、親しければ電話で話す、あるいは権威ある第三者に伝えてもらうのが効果的で、E-メールでは返事ももらえないだろう。反対にプライバシーが重要視される米国ではきちんとしたE-メールが効果的である。また、米国ではアンサリングマシンにふきこまれたメッセージには返事をするのが常識だが、本土の中国人のようにアンサリングマシンを使わない、あるいは無視する人たちも大勢いる。従って人間関係中心の社会に住む人たちがチームのメンバーに含まれる場合は、最初に一度は会う必要が出てくる。但し、その人たちがグローバルマインドを持っていれば即座にバーチャルチームをつくることが可能になり、そういう相手と出会った時の喜びはひとしおだと言えよう。

（２） の共通理解のプラットフォームとしては、同一企業のメンバー同士のチーム
なら企業文化やビジョンの共有も勿論大切である。それ以外の場合は＜文化の世界地図＞やグローバルビジネスのルールの共通理解が、企業単位を超えて多様な背景のチームメンバーを結び付ける基盤になる。更に、プロフェッショナリズムを共有できれば、会ったことも無い人たちと互いの信頼のもとにプロジェクトを開始し、最大の成果をあげることも可能になる。新しく登場している“グローバル・スーパースター”たちがチームワークを好み、仕事の達成からくる満足感を強い動機として働くことを思い出してほしい。

（３）は極度に現場主義で、一緒に飲んだり食べたり歌ったりゴルフをしなければ本当の信頼関係は築けないと信じている日本人には頭の切り替えが必要だ。文化のCodeが違えばルールも違うという法則で詳細したように、文化によって信頼関係の築き方が異なるのでそれをまず理解し、プロフェッショナリズムと組み合わせるのがコツである。

（４）もまたタテの関係を重視する日本人にとってはむつかしいかもしれない。日本人はジェンダーや外観、肩書きで相手が自分より上か下かを即座に測り、判定の基準にしているからだ。国にもランクをつけて後進国の人間を一級下のように思う精神構造では、グローバルなバーチャルチームを組んで仕事をするのは困難である。解決方法としては、相手が持つ知識や経験、ノウハウといった能力に注目し、機会を捉えてよい点をほめる訓練をすること。面子や個人の利害、肩書きを超えて相手を出来る限りサポートすること。

バーチャルチームを成功させるコツは、多様な文化的背景を持つメンバーひとりひとりが自分は不可欠な存在だと理解して真剣にコミットするかどうかにかかっている。従って誰に対しても公正なモノの見方や配分、評価や報酬、相手をいらつかせないスピードなどを持つことが持続の決め手となる。こうした価値観はグローバルマインドの主要な構成要素に他ならない。

<u>３．バーチャルチームをはじめるには？</u>
〔セッティング〕
やさしいセッティングで試してみよう。次のような事態が発生したとする。
ある多国籍企業がグローバル市場に投入する新製品を完成。グローバルに使用できる広告のプロトタイプを広告代理店に依頼して作成した。これをＡＳＥＡＮ地域の５カ国で使用して製品を売り出すにはこのままで良いか、ローカライゼーションが必要か？もし必要なら具体的にどうすればよいか？

シンガポールオフィスで働くマーケティング担当のＡさんがリーダーとなり、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンのマーケティング担当者とバーチャルチームをつくる。

〔要件〕
このプロジェクトの要件は、状況から見て、
－なるべく早く
－なるべく少ない予算で
－信頼できる結果を導き出す
ことだ。北米やラテンアメリカ、ヨーロッパ、中東、東アジアなど他の地域（region）でも同じプロジェクトが行われるはずだから、これはグローバルプロジェクトの一貫だと考えてよい。さあ、あなたがＡさんなら、どう計画し、実行するだろうか？

〔行動開始〕
ひとつの正しい答えというものはありえないので、Ａさんの立場で色々考えてみよう。

<u>〇チームメンバーの選択とリードの仕方</u>
名簿、個人的経験、推薦などの方法を合わせて出来るだけ均一な成果をあげうるメンバーを各国から選ぶ。この地域では個人の自主的なインプットによるプロフェッショナルな仕事ぶりは期待できないかもしれない。父親的にリードし、動機づけ、現場からの知恵を出してもらう形をとることにする。プロジェクトの途中でメンバーが変わることもありうると考えておいた方がよい。

<u>〇ガイドラインの作成</u>
Ａさん自身が新製品とグローバル広告について学び、このプロジェクトに関して本社で何らかのガイドラインが既に作られているかどうかをチェックする。シンガポール市場でテストする場合を想定してフォーカスグループについて決定。締切りを決める場合には、各国のメンバーの時間感覚や現地の祝祭日／行事も考慮に入れる。メンバーが強いコミットメントをしてくれるように何らかの権威づけとインセンティブを考えるのも大切である。例えば、「これは本社から来たグローバルプロジェクトで、今年の新製品の成否がかかっている。レポートはメンバーの名前をつけて本社に送られるばかりか、世界の他の地域から上がってくる報告書とともにシニアマネジメントのグローバルマーケティングの実践を支えることになる」といった手紙をメンバーに出す。

<u>〇最初の電話会議</u>
Ｅ-メールでガイドラインを送った後、全員を招いて一回目の電話会議を行う。目的は、ガイドラインの内容を肉声で説明し、Ｑ＆Ａ。もし全員がコミットすることに決まれば何らかの形で‘開始の儀式’を行うのも良いアイデアである。例えば、メンバーの紹介に続きひとりひとりが「期日を守って協力しあい最高の成果をあげる」といったことを声に出して言うだけでも結果は違ってくる。

<u>〇共有できる情報のダイアグラムを作成し、Ｅ-メールで送付。</u>
新製品のサンプル、説明書き、グローバル広告など必要な資料のほかに、全員が同じものを壁に貼ったり、手元において使えるように、全体と個人の仕事の進展が一目でモニターできるスケジュール表や、メンバーの写真入り名簿などをタイミングよくＥ‐メールで送付する。

<u>〇プロセスマネジメント</u>
ガイドラインに沿って各国で仕事が順調に進んでいるか電話会議で中間報告をし合ったり、問題が発生した時ソリューションを話しあったり、報告書のドラフトが出来たら全員に回覧して標準のフォーマットを決めたりする。こうしたプロセスマネジメントは、各メンバーの仕事を統合していく上で欠かせない。Ａさんだけでなく全てのメンバーが互いの努力や優れた点に気づいたら惜しみなく評価し激励しあうようにする。

<u>〇最後のフィードバックとシェアリング</u>
出来上がった報告書に対し、全員がフィードバックを提出、あるいは電話で話し合う。Ａさんはプロジェクト終了後の経過報告をすることを全員に約束する。
この間、５人は一度も会っていない。

慣れれば、このようなプロジェクトを３つか４つ同時進行させたり、＜文化の世界地図＞や前稿で説明した“グローバルナビゲータ（sm）”を利用して世界各国のメンバーと自由にプロジェクトをこなすことができるようになる。会社にとっては、プロジェクトの質と効率の向上に加え、経費の大節減が見込めるので、たとえバーチャルチームビルディングと関連英語のトレーニングを一度は行う必要があっても、長期的に見れば大きなメリットがあると言えるだろう。

<u>４．バーチャルチームについての注意点</u>
全体を通して気をつけたほうが良い点をいくつかあげてみよう。
＊ バーチャルチームで仕事をする時には、メンバーのいる国々全体を上から眺めおろして自分が全体の流れの障害になっていないか時々チェックする必要がある。ちょうど高速道路で動かなくなった一台の車が多数の車のスムースな流れを止めてしまうように、一人のメンバーの遅れや誤解がプロジェクト全体の流れに支障をきたすことが多いからだ。
＊ Ｅ‐メールによるコミュニケーションが多いので、はっきりしない点、おかしいと思う点は必ず早急に確認すること。
＊ リーダーは全員の歩調を合わせるため、必要に応じてプライオリティリストをメンバーに送ること。（例えば、「今週の最優先リスト」）
＊ 旅行や休暇をとる際には前もって必ず全員に知らせること。
＊ 問題が起きた時には、人を非難したり自己弁明をするより、状況を分析し、事実に基いてすばやく解決をはかること。
バーチャルチームとは、一口に言えば時空を飛び越えてプロの仕事師の集団を作ることだ。

以上]]>
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   <title>日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (9) 渥美 育子</title>
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   <published>2007-05-27T17:05:56Z</published>
   <updated>2007-06-20T14:01:48Z</updated>
   
   <summary>インターカルチュラル・ビジネスセンター社 社長 渥美 育子  法則 ８：スピード＞ディテール グローバル経営に欠くことができない要素にスピードがある。スピード＞ディテールとは、ディテール（詳細さ）をあ...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      <![CDATA[インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子 

<strong><u>法則 ８：スピード＞ディテール</u></strong>
グローバル経営に欠くことができない要素にスピードがある。スピード＞ディテールとは、ディテール（詳細さ）をある程度犠牲にしてもスピードをとれということであり、ディテールにこだわる伝統を持ち、モノづくりに必要な細部へのこだわりをヒトづくりや経営戦略にもあてはめがちな日本人に特に注目をしてほしい法則である。勿論、もしスピードとディテールの両方を兼ね備えることができれば、その人あるいはその企業は“達人の域”にあると言えるだろう。IBMの元会長ルイス・ガースナーは確信を持って次のような経営理念を述べている。

 「ビジネスは勝つことを目指した競争であり、実行するには速いスピードと効果的にこなせるだけの技量が問題になる。しかも一つの組織として統一的に明快に前進しなければならない。」（日経新聞 2002年11月29日） 

]]>
      <![CDATA[IBMアジア太平洋地域担当のある重役とアポイントを取ったところ、２回目のミーティングの前に大きな組織変更が起き、プロジェクトがなくなるという事態が起きた。IBMの過酷なまでの“創造のための破壊”と“変革”はガスナーのようなグローバルリーダーが持つ理念に基づいているに違いない。 それに対して、現在日本企業への評価には残念ながら“遅い”という批判がつきまとう。日本企業で各国の現地リーダー候補のためにグローバルセミナーを行うと、本社が今なお多国籍企業のモデルからぬけ出せず、重要な決定はすべて本社中心で、現地法人の能力が活かされていないことにたいする不満や怒りが、爆発寸前の状態でくすぶっているのがよくわかる。 スピードとは変革しながら前進する力である。潜在能力を持つ現地社員たちが日本の本社に求めているのは、

 (a)地球規模の（自分の国まで届くという意味）組織改革と
 (b)世界共通のトレーニング 

であることが判らないのだろうか。これらによって一刻も早く本社も現地のオペレーションもグローバル企業に変身してほしいと願っているのだ。 では、単純明快なゴールを設定して、スピードをあげて実行するために役立つ６つのキーポイントをここに挙げてみよう。組織の変革と個人の変身に必要な各6つの要素を獲得できるプランをたてれば、最も効果的にグローバル企業に変わることができる。

<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-01.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-01.html','popup','width=500,height=415,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-01-thumb.jpg" width="300" height="249" alt="" /></a>

<u>（１） 多国籍企業モデルからグローバル企業モデルへ</u>
次の図を見ていただきたい。全体的な“スピード経営”を本当に目指したいのなら、この根本的なモデルチェンジが何よりも必要なのだと、本社のトップ、中間幹部をはじめ、全世界の社員がよく納得しなければならない。そして個人レベルでは、グローバルパースペクティブの視点を内在できるような訓練をして、メタ認知能力を身につけることがスピードアップにもっとも効果的である。その理由は、グローバルビジネスのおそらく８０％以上が心眼で視る世界市場の景色を拠り所としているからだ。先がよく視え、全体がよく視えれば当然スピードが増す。

<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-02.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-02.html','popup','width=500,height=333,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-02-thumb.jpg" width="300" height="199" alt="" /></a>

“スピード経営”と言えば、国内の財閥企業（Chae’bo’ls）が崩壊する中でサムスングループのCEO李健煕（イ・ゴン・ヒ）はどのようにしてグループを世界一流のグローバル企業に変身させることが出来たのか。キム・ソンホン、ウ・インホ著『サムスン高速成長の軌跡』（邦訳、ソフトバンクパブリッシング、２００４年）によると、まず旧体制の病状の徹底的自覚、そして日本人技術顧問団の報告書を治療方法の指針として｢不良製品の火刑式｣のような過去と訣別するドラマチックなパフォーマンス、｢７・４制｣（７時から4時まで就業というワーキングパターンの変革）、｢グローバル ベンチマーク｣のような世界の“良いとこ取り”による製品開発、“質の経営”、“複合化戦略”、“改革教本の作成”、“テクノＭＢＡ制度”などあらゆる手段を駆使してこのモデルチェンジを実行したのである。結果、新経営宣言をした1993年からＩＭＦの韓国への介入時期を含めた10年間に、グループの税引き前利益は６６倍に、株式時価総額は２１倍に成長したという。 私がもう一つ注目したのは、イ・ゴン・ヒが実際に働くときの“常軌を逸した”ともいえる姿勢である。彼は寝巻きのような服を着たまま自宅近くの家屋で執務をとるのだが、何時間も食事を忘れてじっと考え込むかと思えば、突然全役員をドイツのフランクフルトのような異国に呼び寄せて何時間も討論を重ねたり、大声で叱咤したりする。評伝は、“未来を予見する天才”“常に世界ナンバーワンを目指す全方型のリーダー”と述べているが、彼こそ、グローバルに世界を見下ろす視点を内在し、メタ認知力を発揮するグローバルリーダーのロールモデルに他ならない。また彼は日本留学中に孤独で映画ばかりを執拗に見続けた結果、“Multi-cultural Lens”を通して物事を視ることが出来るようになった――つまり、画面を見、ストーリーを追いながらも監督や裏方さんたちの仕事ぶりや生き様も同時に透視できるようになった――と告白しているのもまことに興味深い。

<u>（２） ターゲット国／地域代表連合によるグローバルマスタープランの作成を実行</u>
 サムスングループの場合は強烈なグローバルリーダーによる徹底的なトップダウンで成功したが、企業のビジョン、ゴール、戦略、実行の時期にいたるまですべてが本社の幹部によって決められるのでは現地のリーダーは育たない。 本社が中心になりながら国連のようにターゲット国（例えば中国）や主要地域（北米、中東などの地域）のトップを招いてグローバルチームでマスタープランを作成し、状況の変化に応じて、彼らのインプットを参考に軌道修正をしながら、実践をしていく形が望ましい。

<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-03.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-03.html','popup','width=500,height=303,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-09-03-thumb.jpg" width="300" height="181" alt="" /></a>

<u>（３） バーチャルチームによる多文化間プロジェクトの創造、認可、サポートシステム</u>
１０月２５日の日経新聞に次のような記事が掲載された。

 「ワイヤレス・ハンズフリーアダプター」。設計から生産まで手掛けたのは“バーチャル多国籍企業”だ。運営の中心は金型設計製造のオーテック（大阪）。国内外の６万メーカーが登録する受発注情報サイト｢ものづくりタウン２１」を構築し、案件ごとに得意企業に白羽の矢を立てる。アダプターは同社など内外八社で製品化した。オーテックの売り上げは５年で約２０億円に倍増。うち６割はこの「仮想企業連合」で稼ぎ出す。案件に合わせ連合の形は変幻自在。 

多国籍企業モデルからグローバル企業モデルへ移行し、社員が世界市場のプレーヤーに変身すると、このようなバーチャル・プロジェクトを一気に加速することができる。ビジネスは無限大。本社はコントロールタワーの役割を果たせばよい。これからはバーチャルチームビルディングを世界共通トレーニングに入れる必要が出てくる。これまで紹介してきた“Cultural Motivators(sm)”や“deMotivators(sm)”（月報 2005年５月号）など、多文化間の動機づけツールが大いに役立つと予測できる。

 <u>（４） グローバルコミュニケーションの活性化</u>
日本人や日本企業が“遅い”と言われる理由の一つは、

（a）日本語の壁に加えて
（b）情報を出すことへの極端な恐れ、
（c）説明べたと
（ｄ）英語べたが合わさって、クロスカルチュラルコミュニケーションが信じられないほど貧しいことだ。 

次のようなケースがしばしば起きると、日本人のコミュニケーション能力の無さがグローバルプロジェクトを効率よく実施する上で障害になってしまう。 

[事例] 
多国籍企業A社の米国におけるマーケティングチームは、新製品をグローバル市場に送り出すにあたって従来の国別、地域別マーケティングを統合して、グローバルマーケティングを行う計画を立てた。ヨーロッパ主要国のマーケティング担当者とはジョイントでうまく仕事が進んだ。ついで日本でも同様の目標を達成しようと、チームは次のようなe-メールを日本の担当者に送った。 

(a) 計画の概要
(b) 北米、ヨーロッパでの導入
(c) 日本で実践したいこと
(d) 日本のビジネス環境でこの計画がそのまま受け入れられるか。ローカライゼーションが必要か。 

北米やヨーロッパのやり方を決してアジアに押し付けるのではなく、むしろ日本市場に受け入れられるよう、ローカライゼーションの手伝いをしたいと、やさしい英単語を使って明確に述べたつもりだった。しかし、長い沈黙の後（a）について質問が２、３きただけで、解答は得られなかった。日本では新製品のマーケティングがどう計画され、実行されているのか―――結局、何も判らないままタイミングを失い、このグローバルプロジェクトはグローバルになる前に打ち切りとなった。

[解説]
各社員がもし、プロフェッショナルとして自分の分野の状況をグローバルに把握し、知識を常に蓄積していれば、このような問い合わせには日本を代表して３０分で解答できるはずである。英語で表現できなければ、図をつかえば良い。 

異文化間のコミュニケーションに関しては、もう一人の優れたグローバルリーダーであるルノー/日産のCEOカルロス・ゴーンがよいモデルである。現地語（日本語）があまり上手でなくても、はっきりとしたメッセージを持ち、それを大勢の関係者と共有する努力を続ければ、“コミュニケーションの達人”と言われるようになるのだ。彼はグローバルリーダーとしてはごく自然なこと、しかし、ほとんどの日本人社長が行わなかったことを次々に実行していった。日本にいる社員の一人一人との、e-メールホットラインの開設とインタビューによる対話（特に否定的意見を聞きだす）。“コミットメント”のような変革のためのキーワードの定義をくりかえし教え込み、全社員の頭に刻み込む方法。自分の行動の目的や実行プランをリアルタイムでマスコミを通して全日本人世界に知らせていく。達成できなければ辞職するという決意の公開。

 シンガポールで日本人社員のグローバル意識を知るために半日のオープンセッションを行ったところ、｢何人の人がカルロス・ゴーンになれると思っているのか。｣と聞かれて、そのように心を閉ざしている人がまだいるのかと言葉を失った。カルロス・ゴーンを増やしたいと言っているのではない。現地語（あるいは英語）が充分にしゃべれなくても現地の人たちから“コミュニケーションの達人”といわれる事実。ここから日本人に最も必要なクロスカルチュラルコミュニケーションの極意を学べるのではないかと言っているのだ。 

<u>（５） 最適化によるマネジメントとグローバルスタンダードセッティングの組み合わせ</u>
 グローバルマネジメントの公式の一つは、スタンダードとダイバーシティの最適化、つまり、“多様性を最大限に生かしながらルールの一元化をはかっていく”ということだろう。これに日本企業が勝つために何としても必要な、グローバルスタンダード（あるいはアジアンスタンダード）セッターになる公式を加える、という意味である。 経営のスピードを上げるには

（a）全社員が共有できるプラットフォームを増やす
（b）最適化によるルールの一元化、
（c）取り組みにグローバルレベル、ローカルレベルで優先順位をつけて実行する、

のが望ましい。（５）はその際リストのトップになる項目の一つであり、共通理解のプラットフォームに加えるとともに、“世界共通トレーニング”にも組み込むとよい。

 <u>（６）の相関的評価に関しては、グローバル時代の新しい評価方法として非常に重要なので今後独立した法則として考察したい。</u>

以上]]>
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   <title>日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (8) 渥美 育子</title>
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   <published>2007-05-26T17:45:42Z</published>
   <updated>2007-06-20T14:01:48Z</updated>
   
   <summary>インターカルチュラル・ビジネスセンター社 社長 渥美 育子 法則 7：法的思考能力（Legal Mind）を身につける 日本人がグローバル市場で自信を持って戦略 をたて実践していく為に、もう一つ何とし...</summary>
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         <category term="その他" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      <![CDATA[インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子

<strong><u>法則 7：法的思考能力（Legal Mind）を身につける</u></strong>
日本人がグローバル市場で自信を持って戦略 をたて実践していく為に、もう一つ何としても 必要なのは、法的思考能力（Legal Mind）であ る。これが論理的思考に根ざしていることは既 に理解されている。

<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-08-01.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-08-01.html','popup','width=400,height=345,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-08-01-thumb.jpg" width="300" height="258" alt="" /></a>

法律についての専門知識とその現場への適用は弁護士に任せて、私がここ数年、日本人とのビジネス上の付き合いを通して唖然としたケースをまず取り上げたい。そして、Moral Code社会で生まれ、育ち、仕事をしている日本人が“日本の常識は世界の非常識”を少しでも解消するには、どのような法的思考に基づく“常識”を身に付ければよいかを考えてみたい。

]]>
      <![CDATA[<u> （１） 米国に『六法全書』は存在しない</u>
［事例］
日系自動車会社が新しいプロジェクトを立ち上げる為、日本の技術者を十数人米国へ送りこんだ。赴任前教育はゼロ。プロジェクトリーダーが電話で尋ねてきた。「米国の法律を学びたいので『六法全書』にあたる本を紹介して欲しい。」その理由を尋ねると、日本本社が送った塗料のある成分が米国の輸入禁止項目に入っていたので港で差し止めになり、呼び出されていたのだった。こんな時にはすぐさま弁護士あるいは法律に詳しい社内の専門家に相談すべきなのだ。結局は、米国人の担当者がこの件にあたることになったが、日本人のリーダーは弁護士が嫌いなので、この際独学で米国の法体系を手っ取り早く学びたいと思ったのだった。

［解説］
この“日本の常識は米国の非常識”の例は、プロジェクトメンバーが現地入りをして数ヵ月もたった後の話しである。 外国でビジネスを行う場合、何よりもまずその国のルールを学ぶ必要があるのは言うまでも無い。とりわけCodeを越えてLegal Codeが最も強い米国で仕事をする場合には尚更である。技術者集団だからと言ってルールに無知であって良いはずがない。 米国の法律は慣習法・判例法（Common Law/Case Law）であり、広大な国のあちこちで刻々となされる法廷での判決とそれが示唆する原則が新しい法律になっていく為、成文法（Statute Law）を使用している日本と違って『六法全書』にあたるものはない。問題が起きたらその分野が専門の弁護士を探して相談し、アドバイスに従って処理していくのが通常のやり方なので、どのように定評ある弁護士を探し出すかを知っておいた方が役に立つ。

米国で働くチャンスが出てきたら、Legal Code社会にどっぷりつかってLegal Mindを身につける良い機会である。出発前に独立宣言（1776）、憲法（1787）、権利の章典（1791）、その後の憲法修正条項（Amendments）などに目を通し、ビジネスに直接関係のある反トラスト法（Antitrust Laws）、積極的差別是正策（Affirmative Action）など、そして連邦法と州法の関係について基本的な知識を身につけるくらいの準備はしてほしい。しかし、もっと大切なのは、その背後にあるLegal Codeを構築している精神や法的価値（Legal Values）を理解することである。米国企業におけるビジネスの実践や社会のルールが全てそうした価値の適用で成り立っているからだ。私が米国で20年以上仕事をしてきた経験から言えることは、Moral Code出身の日本人が米国で失敗を防ぐカギは２つある。（a）基本的人権についての骨にしみ通るような理解.と、（ｂ）日本的商習慣をLegal Code社会に決して持ち込まない、ということである。

この事例に登場する日本企業は（a）(b)ともに不徹底で、この後も米国内で何度も訴訟の対象となった。Legal Mindの核心にあるのは、どの人間も誰も犯すことが出来ない“自由に生きる権利”を持つ存在だという自覚であり、それは絶えず新しい判決が新しいルールになっていくという過酷な状況に身をおいてはじめて判ることなのだろう。

<u>（２） 契約書においては顧客も売手も対等</u>
［事例］ 
米国にある半導体関係会社のマネージャーであるリチャードさんは、日本企業の山下さんと何度も交渉を重ねた後、やっとデザイン・インの契約を取り交わすところまでいった。日本の顧客は難しいと聞いていたので交渉中はなるべく山下さんの要求を受け入れるよう努力をした。しかし、リチャードさんが最後にごく常識的な保護条項を草案に加え「御社の弁護士にもこれでよいかお見せ下さい。」と言うと、山下さんは「売り手が自分の利益ばかり守ろうとするのはおかしいじゃあないですか？」と突然怒り出した。 リチャードさんの会社では、別件でアジアのある企業と取引するかどうかを決めるにあたって、その会社の信用状況を調査したら、「疑って掛かるような企業とはビジネスをしたくない」と断られたばかりだった。

[解説]
これは、典型的なLegal CodeとMoral Code間の信頼構築の仕方の違いからくる摩擦である。一方が、Legal Mindを持たないとこうした摩擦が起きるので、Legal CodeとReligious Code間でも同様なことが起きると想像してよい。 

日本の場合顧客の地位が世界一高いので売手が必要以上に低姿勢を取ることになり、いざ契約となっても売手にまだそのような滅私的な姿勢を期待したり要求したりする。しかし、ビジネスの原点は双方がコミットし、品物やサービスと金銭を交換することにあるので、その取り決めをする契約書においては両者は対等のはずである。従って、後から問題が起きないように商品の品質を調べるのと同様、買手の支払い能力を調査したり、互いに保護条項を加えたりするのもまた当然なのである。売手が保護条項を加えるなら自分もそうすればよいわけで、まるでつけ込まれたかのように怒り出すのは厚い日本文化のレンズをはめている証拠。これも“日本の常識 アメリカの非常識”の例である。

<u>（３） 誓約書はMoral Documentであり、法的効力を持たない</u>
［事例］
パリにオフィスを構える米国系フランス人のホワイトさんは、各国の国民性やビジネ スエチケットを説明した『文化の事典』を出版し、日本のあるビジネススクールとライセンス契約をした。契約の際に秘密事項保持契約（non-disclosure agreement）も交わし、契約者以外に内容が流れないよう気を配った。ところが、日本語版を作るのに手間取り、完成した時には窓口担当者が変わってしまっていた。そこで彼女は、「もう一度NDAを交わしたい」と申し出たところ、新しい担当者に「誓約書なら書いてもいいが、契約書は組織を巻き込まなければならないので不可能です」と言われ、ショックを受けた。

［解説］
これも典型的なLegal Code対Moral Codeの例で、欧米のプロフェッショナルから見れ ば日本はまだ封建時代なのかと驚いてしまうだろう。新しい担当者はNoと言うかわりに誓約書なら、と誠意を見せたつもりであろうが、それは全く伝わらず、かえってLegal Mindの欠如があらわになってしまった。 誓約書は国際ビジネスの場で効力を持たない。契約書と誓約書を比較すると多くの面で正反対であることが判る。

<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-08-02.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-08-02.html','popup','width=500,height=371,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-08-02-thumb.jpg" width="300" height="222" alt="" /></a>

海外での雇用にあたって誓約書のみを交わすような日本企業はもはや存在しないだろうが、NDAのようにお互いの権利を守り合う書類でさえ持ち出した途端に「私を信用しないのか」と腹を立て、サインを拒否し、ビジネスを取りやめる人達がMoral CodeやReligious Codeの社会にはまだ大勢いる。Legal Mindを持てば、最小限度のよく準備されたLegal Documentを持ち込む人こそ誠実な人であり、真剣にコミットしようとしているのだと判るはずだ。

<u>（４） パテント、トレードマーク、コピーライトなどの知的所有権を侵害するのはモノを盗むのと同じ</u>
［事例］
米国に本拠をおくグローバル研修会社を代表する水野さんは、日本のA社とセールスエージェント契約を結んだ。日本の顧客会社で第一回目のセミナを行うことになり、水野さんはカスタムデザインしたセミナノートブックを作成し、A社の担当セールスマンにオリジナルを送った。セミナ当日、水野さんが会場に行くと、何とセミナの表紙はA社の表紙に変えられ、コピーライトはいつの間にかA社とのジョイントコピーライトに書き換えられていた。 

水野さんは数年前、東京にある別のセールスエージェントと契約を交わしていたが、同じ問題が起き解決できないので提携を解消したのだった。「国際教育プログラムを扱う日本の責任者が何と・・・・」と水野さんは怒ったり、失望したりした。 

［解説］
人の持ち物を盗んではいけないのと同様、他人や他社の知的所有物を絶対に盗んではいけない。これは、Legal Mindの基本中の基本である。 

Legal Codeは絶対性に根ざしているので、例え全ての同僚が違法にソフトウエアをコピーしていたとしても、少なくとも自分だけはそうしないという強い倫理観が必要である。 相手がセミナノートブックを勝手にジョイントコピーライトに書き換えた場合、どういう制約が起きるだろうか？ 論理的に言うと、水野さんの会社は自社の知的所有物であるセミナの内容を将来どんな形で使用するにあたってもいちいちA社の許可を得なければならなくなる。従って水野さんの会社の顧問弁護士がこの制約を解除するため法的手段を取り、この不当行為に対して罰金を請求することになるだろう。 

勿論、現在の日本ではそこまでは起きないだろうが、外資系会社が増々日本市場に参入し、知的所有権を尊重するグローバルスタンダードがもっと重視されれば、違法が訴訟で解決されることが多い社会になっていくのは明白である。

<u>（５） Moral Code社会の商習慣のいくつかは、Legal Codeを適用すると違法になる</u>
［事例］
ドハティー氏が米国フォーチュントップ企業の一社であるジェネラルアメリカ社（GAI）のCEOに任命された時、強固な意志を持ってやり遂げたいと社員全員に約束したことの一つは、GAIを倫理的な企業として成長させ、維持していくことだった。競合会社である巨大な航空機製造会社が日本の元首相への贈賄事件を引き起こし、大スキャンダルにまみれたことは忘れようも無かった。また、防衛機器産業の代表格であるB社も韓国でチェボルの重役に別の分野で便宜を図り見返りを得たという嫌疑で担当の重役が米国に呼び戻され、逮捕されていた。今度はGAIかもしれないと思うと、ドハティー氏は何としても世界中の社員にLegal Mindを持たせるキャンペーンをいち早く開始しなければと、あせる気持ちを押さえきれなかった。

企業倫理規定が改定され、それを印刷した小冊子がグローバルな規模で配布された。ビジネスプラクティシス オフィス（BPO）が本社や主要な支社、工場に設定され、副社長級の担当者が毎年世界の特定地域（region）をまわりながら現地の社員と“対話”を持つ計画が立てられ、実行に移された。 

ある年、トンプソン氏が担当役員となり、東京と香港で“対話”集会を開くことに決定。準備の為、彼はアジアでの商習慣について学びたいと思った。しかし、学ぶほどに彼は困惑してしまった。「中国人や韓国人、日本人が長年実行してきた<お返しの原理>に基づいて人間関係を築いていくやり方は違法になる危険性が強い。かといってこのやり方をやめさせる訳にはいかないし…少なくとも“対話”を続けていく意味はあると信じたい」と言って彼は大きなため息をついた。

［解説］
グローバルビジネス最大のチャレンジは、原理も価値観も発想も全く異なる三つの文化コードが存在する世界市場で、どのようにルールの一元化をはかり公平な競争を展開していくかであろう。

方法としては、三つの文化コードのそれぞれが持つ良いところを合わせて新しい文化＝ルールを創っていくことが最良だと思う。

Moral Code社会の人間がLegal Code社会から学びうるのは何と言っても(a)Legal Mindと(b)プロフェッショナリズム。ドハティー氏が始めた倫理“対話”キャンペーンの重要さは、コード間のルールの違いを“倫理”を合わせ鏡にして検証していく点にある。この検証には、Legal Mindが必要だ。

日本人としては、日本の商習慣のどこが、なぜどのようにLegal Codeに抵触するかを検証するところから始めたい。そうすれば、グローバルな規模でのルールの一元化という大事業の一端をになっているのだという自覚が呼び起こされ、強制的に「Legal Mindを持て」と言われるよりもはるかに高い動機付けが得られるだろう。

以上]]>
   </content>
</entry>
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   <title>日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (7) 渥美 育子</title>
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   <published>2007-05-25T18:07:15Z</published>
   <updated>2007-06-20T14:01:48Z</updated>
   
   <summary>インターカルチュラル・ビジネスセンター社 社長 渥美 育子 法則 6：マルチカルチュラルレンズをはめる（続き）〓国際合弁・買収における認識の違い 先回は、マルチカルチュラルレンズを通してグローバルビジ...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      <![CDATA[インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子

<strong><u>法則 6：マルチカルチュラルレンズをはめる（続き）－国際合弁・買収における認識の違い</u></strong>

先回は、マルチカルチュラルレンズを通してグローバルビジネスを行う重要さと難しさを、日本からシンガポールへの赴任という具体例を用いて取り上げ、解決方法を示唆した。今回は、全ての計画や実践をひっくり返してしまう可能性さえ持つ、異文化間のオペレーション、特に国際合弁（ＪＶ）や合併・企業買収（Ｍ＆Ａ）における‘認識の違い’（perception gap）を取り上げたい。

［事例］
制御関係の機器を製造販売しているある日系企業が、ヨーロッパ市場で製品が補完関係にある欧州企業を買収した。この欧州企業は米国にも子会社を持っていたので、日系企業はその子会社も半ば自動的に傘下におさめることになった。

米国の子会社では、マネジメントも従業員も新しい親会社からビジョンや経営戦略が通達されるのを待っていた。従業員の中には、日本式経営について学ばなければと思う者もいて、皆緊張を隠せなかった。

]]>
      <![CDATA[ところが、日本本社の重役たちは「あなた方のやり方を変える意図は全くありません。従来どおりに仕事を続けて下さい。」と伝えたのだった。

6ヶ月たった後、米国工場のアメリカ人たちは「新しい親会社はとても寛大で、私たちの好きなようにさせてくれる。問題は何もありません。」と言っていたが、実際には、前の親会社からも新しい親会社からもはっきりした指針が来なくて意気が上がらなかった。実力ある社員は既に他の会社に移ってしまっていた。一方、日系親会社のほうは従来どおりでよいと通達したことを忘れ「この米国子会社は‘目の上のコブ’。何でも自分勝手に決めてしまって、グループ全体の方針に従おうとしない」と憤っていた。

［解説］
この日本企業による海外企業の買収はどこがまずかっただろうか？

<strong>１． </strong>日本の本社に、海外企業を買収するにあたって必要なグローバル戦略をたてられ る幹部がいなかった。

<strong>２． </strong>それならば、トップレベルの専門家（集団）を招いて勉強し、彼らの専門知識を 取得すればよかったのに、全て内輪で片付けてしまった。日本企業のトップに は、必要なノウハウを外部のプロから買うという習慣があまりないようにみえる。

<strong>３． </strong>買収した外国企業に対し従来どおりでよいと伝えるのは、日本式マネジメントがもてはやされた80年代までは「和」の経営として好意的に受け止められた。しかし、グローバル時代の今、新しい親会社のCEOがグローバル戦略をびしびし導入して以前よりもっと成功が約束されるような新会社に導いていく力を見せなければ、社員が将来に希望を失うのは当然だろう。

<strong>４． </strong>米国社会はコミュニケーションスタイルが極度にLow-contextである。つまり、 「買収によるマネジメントの変化はない。従来どおりに仕事をやりなさい。」と言われれば、アメリカ人は額面どおりに受け止めてアメリカ式のやり方を続ける。それに対して、本社内で不満を言いあうのは公正でないやり方、非論理的なマネジメントと受け止められても仕方が無い。

<strong>５． </strong>更に言えば、日本本社の幹部は既に何十年も米国でビジネスをしていながら、ア メリカで働く人達をどう動機づけるかについて明確な手段を持ち合わせていない ようにみえる。

では、どうすればよかったのだろう。

◆ 企業の市場価値の7.6％は文化の違いによる破綻の対象になると言われる。外国企業の買収にあたって、買収条件を上手く交渉するのは勿論だが、買収後に価値を増やす戦略―つまり、どのように前よりももっと利益を生み出す会社にするか―をすぐさまたてる必要があった。 

◆ 万一間に合わなくても、Stage１，２，３という形で何をいつまでにどう変革したいか、タイミングよく発表すべきだったろう。 

◆ Legal codeの社会では‘公平な取り扱い’（fair treatment）が原則の一つなので、ヨーロッパ本社の買収が本命でこの会社は重要ではないという暗黙のメッセージは禁物。既に存在しているほかの米国子会社とこの会社の取り扱い、また日本人と米国人の取り扱いをなるべく早く一元化することも大切である。 

◆ 買収をきっかけに日本企業のマネジメントの特徴などを勉強したいと意気込んでいる社員こそ大切にし、すぐさま学習のチャンスを与えてあげるべきだった。‘Perception gap’どころか‘Cultural fault line’（文化の断層）が存在していることを肝に銘じて、現地人が望むようなプロのトレーニングを受けさせるのが良い結果を生む。現地社員が新しい親会社のことを自主的に学ぶ計画を立てているのに、日本本社の誰かが不用意にも「そんなに勉強しなくてもいいよ」とか「外部の研修会社には我々の会社のことは教えられない」とか、「今更日本式マネジメントの何が学びたいのか」とか言ったためにダメになったケースがこの20年間で何度かあった。勉強しなくていいどころか、双方が始めにしっかり基本を学びあわなかったために、この事例のように本社と新規海外子会社の人間が180度異なる認識を持つことになってしまった。

もう一つ例をあげよう。

［事例］
2003年夏、日本のあるガス会社とオランダの石油メジャーグループが日本で自由化が進む電力小売に共同で参入することになった。しかし、このガス会社にとっては、異文化間のビジネスといった意識はあまりなかった。何しろ、国内顧客の開拓を担当すればよかったし、出資金も1億円以下。相手はオランダ系だといっても日本との合弁会社も加わっているし、日本人社員も多くいる。クロスカルチュラルトレーニングは見送られた。

2004年後半、石油メジャーグループの海外勢力（非日本人幹部や人事関係者）は、相手のガス会社社員のやり方が日本的で、共同展開が効率よく進まないのに苛立っていた。ビジネスのやり方について「認識の違いがある」と人事担当者は言った。

［解説］
このような認識のずれは、すべてのJVやM＆Aにつきものだ。ただ、背後にトレーニングやコーチングに対する知識や信頼の違いがあって、それが文化のパラダイムによる‘認識の違い’を助長している。また、パートナーに遠慮してトレーニングの必要性を言い出せないのも問題だ。似たような事例を見てみよう。

<u>（１）プロのトレーニングやコーチングの効用に気づかない場合</u>
ヨーロッパ最大手の物流グループの一社が上海の自動車会社と合弁に入る準備をしていた。本社が上海に送りこんだのはスコットランド人をリーダーとするEMEA（＝Europe,Middle East & Africa）とオーストラリア出身の‘7人の侍’。急ごしらえの、西欧、中東を代表する若いリーダーたちは、一人が中国の歴史書を読んだという以外は、中国について何の勉強もしていなかった。彼らの論理性、西欧型コミュニケーションとマネジメントの能力を駆使すれば、会議室で十分な成果を上げられると信じて着任したのである。迎える現地の自動車会社の重役たちは、現地の顧客や市場に精通している自分たちに絶大な自信を持ち、会議室にはほとんど姿を見せず、夜になると頻繁にこのグループを最高級料理店に招いて話しをつけようとしていた。

‘7人の侍’が極度のフラストレーションと中華料理への嫌悪感でまさに空中分解しそ うになった時、グループに所属する中国人社員がコーチングを進言したのである。スコットランド人のリーダーは、「あと２日で私がどれくらい重要なことを決定しなければならないかが分かれば、そんな時間がないのは明白だ」と叫んだ。しかし、実際にはコーチングを受けなければ重要なことも決定出来ない状態に陥っていた。一方、上海自動車の中国人幹部の頭にも外部から教えを受けるなどというアイデアは全く無く、ヨーロッパの連中が帰国したいのはホームシックのせいだと思い込み、益々饗応に励んだ。このEMEA対中国グループの‘Perception gap’は、たった1日か2日のコーチングで楽に防げたはずだ。

<u>（２）一方の企業がトレーニングに否定的であったり、閉鎖的な体質である場合</u>
自国がJVやM&Aの土俵であるために異文化トレーニングの必要性に気付かなかったり、社内の実情を外部のコーチや研修会社に知られたくなかったりすると‘Perception gap’が解決できず、共同のオペレーションが不完全燃焼に陥ることが多い。

空調で世界のトップクラスである米国企業と日系企業の空調部門が合弁関係に入った時、米国企業の幹部は日本と東南アジアで大規模な異文化研修を行い、共通理解のプラットフォームを築きたいと切望した。が、日本側が否定的であった為、結局断念してしまった。合弁に力を尽くした米国企業の社長はその後本社を去り、JVが発足した2,3年後には日本側が米国側に乗っ取られるのを警戒しているのだという声も聞かれた。‘Perception gap’を絶えず最小にする努力をしないと異文化間のコミュニケーションは一層乏しくなり、相手企業を信頼することができなくなる。もし早い段階で両者が互いに相手企業とそのルーツである文化についてセミナを受け、その後ジョイントセッションを行えば、アイデンティティを発見しあった者どうしが感激して、一緒に新しい企業を作っていこうと決意を新たにすることができる。国際合弁や買収にあたって、社員がこのパラダイムシフトを経験できるかどうかが成功への鍵だ。結局は、早い時期にプロのトレーニングによって地固めするのが得策だと言える。

では、合弁や買収に際して、全社員が前号で説明したような“グローバル ナビゲータ（sm）”（global navigator）に自由にアクセスできるとしたら、結果はどう変わるだろうか？日本―オランダの合弁の例をとって見てみよう。

<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-07-01.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-07-01.html','popup','width=500,height=523,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-07-01-thumb.jpg" width="300" height="313" alt="" /></a>
<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-07-02.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-07-02.html','popup','width=500,height=352,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-07-02-thumb.jpg" width="300" height="211" alt="" /></a>

オランダ側の１、２、６、１０などはフレームワーク、囲い込み式マネジメントが強い日本企業と抵触する可能性が高い。４を知っていれば、たとえ資本の使い方や利益の分配で摩擦が起きても感情的にならず、落ち着いて妥協点を考えることができる。“チームワーク”が大切だと双方で言い合っても、望ましいパターンが違うかもしれない。 

実際のトレーニングではJVやM&A向けのもっと詳しいツールを提供するが、少なくとも全員が最小限度これくらいの理解を既に持っていれば、この稿で取り上げたような深刻な‘Perception gap’に気付かないという事態は起こりえないだろう。 

以上]]>
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   <title>日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (6) 渥美 育子</title>
   <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.abps-us.org/topics/2007/05/_6.html" />
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   <published>2007-05-24T18:26:31Z</published>
   <updated>2007-06-20T14:01:48Z</updated>
   
   <summary>インターカルチュラル・ビジネスセンター社 社長 渥美 育子 法則 6：マルチカルチュラルレンズをはめる これは人間関係やコミュニケーションの基本中の基本でありながら、もっとも気づかれずにいる極めて重要...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.abps-us.org/topics/">
      <![CDATA[インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子

<strong><u>法則 6：マルチカルチュラルレンズをはめる</u></strong>
これは人間関係やコミュニケーションの基本中の基本でありながら、もっとも気づかれずにいる極めて重要な法則である。特に日本人の場合、（a）各々のレンズは異なってもほとんど全員が日本文化という厚いレンズを通して世界を見ているし、（ｂ）理解のパターンが心情的である（‘お気持ちはよく判ります’、‘お察しします’）ため、この法則を本当に理解し実行するには、二重の努力を強いられる。“マルチカルチュラルレンズをはめる”とは、異なる価値観からなるモノの見方を共有し接点を探り、自分中心の見方を修正し、新しい理解、つまり、高次元（メタ）の理解に辿り着く過程を自分の技術にするということである。従って、キリスト教徒が回教徒のレンズをはめて世界を視るとか、日本人が韓国人、中国人のレンズをはめて日本人を視るというケースを考えて欲しい。この法則と法則１の“グローバルな視点”を内在させる、が合体すると劇的なパラダイムシフトが起こりうる。 
]]>
      <![CDATA[
ここで、シングルレンズの人とマルチカルチュラルレンズの人を比べてみよう。

<a href="http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-06-01.html" onclick="window.open('http://dp31256841.lolipop.jp/topics/images/atsumi-06-01.html','popup','width=600,height=238,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false">画像の確認</a>

これほどプラス面が多いのなら、全力を尽くしてマルチカルチュラルにモノが見えるよう、トレーニングをすべきではないだろうか？文化のレンズの問題は、異文化コミュニケーションの次元を超えた人間教育の基盤であり、日本人、あるいはシングルレンズの人達が多い民族の、世界におけるプレゼンスの問題である。

では具体的に何が障害となって多文化的な視点を獲得しにくいのか、解決方法はあるのか、考えてみよう。主な障害の原因として、

（１） シングルレンズそのもの
（２） グローバルリーダーの不足
（３） 効果的なツールの不足

を挙げることができる。

（１）に関して20年の経験から言えることは、最もトレーニングが必要な人がシングルレンズ故に最もその必要を感じていないという矛盾である。解決方法としては、子供の時からマルチカルチュラル、グローバル教育を施すこと、マルチカルチュラルレンズの必要性を法則化して、企業が新入社員教育や海外赴任研修に半強制的に組み入れることしかないのではないか。（というわけで2003年末にMPFという子供のグローバル教育の会社を国際パートナーシップの形で創設した。）

（２）については、あちこちの国で意外な発見をした。それは、企業のリーダーたちの本音が、社員－特に工場労働者－にあまり目覚めて欲しくないということであった。しかし、そういうリーダーはグローバルリーダーではない。まだ数は少ないが、グローバルリーダーと言われる人達は、企業全体のグローバル度を高めることが世界市場で成功する要因に他ならないと理解している。また、もしグローバルな視野とマルチカルチュラルな発想を持つ社員が増えることが不満の表明を増し問題を複雑にするとしたら、それは逆に企業の方を変革する必要があることにも気づいている。従って、グローバルリーダー（そして人事担当者）を増やすことが先決だ。その方法としては、異文化コミュニケーションという名の箱庭的トレーニングと、世界市場での成功を目指す本格的なグローバルトレーニングとをはっきり区別し、後者を企業全体の研修として組織的に導入していくことが必要だろう。

<u>“Cultural Motivators (sm)”と“deMotivators (sm)”</u>
（３）についてIBC社では、マルチカルチュラルレンズを最も要領よく身につける手助けとなるいくつかのツールを作成した。既に、法則３．＜文化の世界地図＞を共有する、で述べた世界の主要民族についての“Cultural Motivators(sm)”とその関連図である。９０年代前半、米国Fortuneトップ１００に入る巨大多国籍企業の重役とアポイントメントを取り、直接売り込むというマーケティング方式を取っていた時、初対面の重役を20分で説得するツールが欲しいと切実に願ったのが“Motivators(sm)”を考案する直接のきっかけとなった。その後、新しいインストラクターを次々に養成する手段としても、異なる国に本拠を置く顧客企業の要求に基づき、短時間に高品質のセミナーをデザインするにも、このツールは＜文化の世界地図＞と共に測り知れないほど役に立った。

“Cultural Motivators(sm)”とは、現地の人達を動機づける文化的要因で、“demotivation(sm)”とは逆に現地の人達ががっかりしたり、反発したり腹を立てたりする文化的要因である。

「シンガポール人とはどういう人達だろう」と問う代わりに「何がシンガポール人をやる気にさせるか？」と問うことでステレオタイプ化を回避した。作成にあたっては、現地出身のインストラクターや現地で長年ビジネスをしている人達がチームを作り、各トップ１０～１５の要因を選択、それにキーポイントをつけた。出てきたのは、現地人の“心のソフトウエア”のエッセンスとも言うべきリストである。これを4年以上かけて50ヶ国の主要民族について作っていった。

<u>シンガポール人を理解する方法</u>
例えば、日本からシンガポールに赴任した人がシンガポール人を理解したいというケースを考えてみよう。

［事例］
村瀬さんは日系多国籍企業の本社で２０年近く仕事をした後、アジアパシフィックオペレーションのマネジメントディレクターとしてシンガポールに赴任することになった。丁度先任者の帰国と村瀬さんの着任が重なって、現地の日本人社員達はチャンギ空港で万歳三唱をして迎えてくれた。

しかし村瀬さんがすぐに気づいたのは、シンガポール人が会社への忠実さに欠けること、少しでもよい条件があればすぐに他社に移ってしまうことである。また、元政府の官僚であった人達は難しい状況に直面すると部下に委譲したり諦めてしまって、とことん頑張って成果を出す態度に欠けるようにも見受けられた。村瀬さんは何か現地の経営に活を入れるヒントはないものかと探している。

［解説］
村瀬さんが現地で効力を発揮するアイデアを得るには、まず、日本文化のレンズを取り払い、シンガポール人をグローバルな視点から捉えることが重要である。次のような方法が考えられる。

<strong>＊</strong>世界発のモードに切り替え、３つのコードの特徴を学び、アジアは主としてMoral Code、その中では旧英国植民地であるシンガポールはLegal Code色を帯びていること、シンガポールがReligious Codeの国々（マレーシア、インドネシア、ブルナイ）に囲まれていることを確認する。

<strong>＊</strong>次に＜文化の世界地図＞のアジア太平洋地域に注目。“Cultural Motivators(sm)”と組み合わせて、日本人とシンガポール人がどれくらいの文化を共有しているか、いないかをおよそのところ理解する。

―北部東アジアの儒教文化圏に属する本土中国人、香港、台湾の中国人と異なり、ASEAN文化圏に属するシンガポール人は日本人との文化の共通項が非常に少ない。

―商習慣や労働倫理、モノ造りに多大の影響力を持つ日本固有の文化的要因は勿論シンガポール人とは無関係である。

日本固有の要因とは、組織への強い忠誠心とか、モノに魂を吹き込み得るという神道の精神に他ならない。

 ―従って、村瀬さんは赴任国でないものねだりをしないようにする必要がある。 

―ここで、日本人とシンガポール人にとっての“Motivators(sm)”を比較してみよう。

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両者の間に波長が同じでシンクロナイゼーションを起こすような文化的要因は殆どない。

―次に村瀬さんは本土、香港、台湾の中国人にとっての“Motivators”とシンガポール人のそれを比較して共通点と相違点を認識することでシンガポール人の理解を一層深めることが出来る。更に、ASEANの他の国の人達の“Motivators(sm)”と比較して、 シンガポール人のユニークさを感じることも出来る。

―日本文化のシングルレンズからマルチカルチュラルレンズへ、二国間のクロスカルチュラルな理解からグローバルな視点による現地の理解へ―こうしたものの見方のシフトに加えて村瀬さんにはもう一つの変化が必要である。この稿では取り上げないが＜文化の世界地図＞の構成要素の中に時間軸に沿った“主要国の伝統の輪切り図”があり、一目で戦争や侵略の歴史が判るようになっている。村瀬さんはかって日本軍が侵略した国に赴任したのだ。日本人による万歳三唱が現地人の感受性をどのようにさかなでするかにもっと敏感になるべきである。それが、マルチカルチュラルレンズをはめるという意味である。

―結論として村瀬さんは、シンガポール人の忠誠心の無さを非難するのをやめ、“Motivators（sm）”の１から６までをにらんで新しい給与体系をつくる決心をする。そして、導入後の状態をモニターし、報告書を本社に送って将来の改革のヒントを提供する。また、ASEAN諸国の“Motivators(sm)”を比較検討し、バーチャルチームを作って成果をあげる為のビジネスモデルを工夫することになる。その時彼は世界のどの国に赴任しようとも“Global Navigators(sm)”とも言うべきツールがあれば、時間を無駄にすることなくクリエィティブに現地と本社に貢献できるという自信を持つことが出来るだろう。

以上]]>
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   <title>日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (5) 渥美 育子</title>
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   <published>2007-05-23T18:43:06Z</published>
   <updated>2007-06-20T14:01:48Z</updated>
   
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      <![CDATA[インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子

<strong><u>法則 5：“マイクロマネジメント”はモノづくりのみに</u></strong>
日本式マネジメントの特徴は、人を囲いこみ、数々の規則をあてはめ、こと細かく管理する“マイクロマネジメント（micro-management）”である。これは、日本の製造業がモノづくりにかけては世界一のレベルに達した秘訣であるが、これを海外でヒトづくりにもあてはめようとするので、多様な人々の動機づけに失敗する。海外だけではない。国内でももはや“マイクロマネジメント”方式で優秀な人材を育成するのはむつかしくなっている。日本企業のリーダー達は“知識産業時代”にグローバル規模で応用できるヒトづくりの秘訣は何であるか、じっくり考えなければならない時に来ている。

〔事例〕
日系の多国籍企業グループに属する二社が60-40の合弁で米国南部の州に工場を建てた。 新しいテクノロジーを使って不用になった親会社の製品を再生する事業である。日本の親会社から社長が派遣され、現地の米国人が副社長として雇用された。

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      <![CDATA[日本の社長は、工場の立ち上げ一切をとりしきるほどの実力者だった。が、アメリカ人をことごとく本社グループのやり方で管理しようとした。ミーティングはすべて社長が一方的に規則やスケジュールを伝え、米国人と自由にディスカッションすることはない。副社長がアイデアを出しても、それは本社のやり方でないと否定する。人事関係の問題が起き、地域の雇用平等委員会から注意を受けた時、法律に詳しい米国社員が対応して、訴訟を避けることに成功した。褒められるかと思ったら、「なぜこの問題にそんなに時間とお金がかかったのか」と、Legal Code社会での必要な手続きを理解しない社長は、不機嫌だった。

日本の製造管理の技術はすばらしい。しかし、ここは自由な発想が人をやる気にさせるアメリカなのだ。日本からの駐在員も黙っているばかり。アメリカ人社員が集まると不満をぶちまけるだけで、一向に進展がない。

〔解説〕
日本本社は、現地リーダーを派遣する前に徹底的に相手の文化コードについてコーチングを提供する必要がある。

また、日本人のリーダーは「現地人を教育してほしい」と言い、現地の日本人は「本社をまず教育する必要がある」と言う傾向が強いが、グローバル時代のソリューションは両方がteaching-learningの関係に入ることにある。つまり、日本の製造業の幹部が現地人にモノづくりの原理を学んでほしければ、自らも現地人の持つソフトパワーを学ぶべきである。

〔事例〕
アメリカの大学を出たアジア人のＧＮ・ティさんは、東南アジアにある日系の工場に将来のリーダー候補として採用された。ティさんは5年間米国企業で働いた経験があり、日系企業は始めてであった。この企業でいい仕事をして業績を上げようと意気込んで仕事をはじめたが、一週間で日本式管理方法に辟易してしまった。その上、本社からの情報不足で、余計に一方的に管理されているように感じられるのだ。どう自分の力を発揮したらよいか判らない。さらに、日本からの駐在員が、大事な交渉は日本語でやってしまい、ますます疎外感を味わった。1年3ヶ月の間に3度、深刻に会社をやめようと思ったとティさんは告白している。

〔解説〕
本社から派遣される現地リーダーの教育と、現地リーダーを育てる教育は一貫性を持たせて行い、相乗効果が上がるようにする必要がある。

ある日系企業の工場では、日本人と現地人を一緒に教育するのはタブーだと言う。理由は、余計に問題が複雑になるからだと言われた。こうした時代錯誤を破っていかないと、グローバル企業とか、ダイバーシティとかいう資格はない。

〔事例〕
中国本土に住むQian Weizhongさんは、現在30歳の現場監督で、全く外国語を話すことが出来ない。最近、彼の工場がある日系メーカーによって買収された。新しい工場長は東京本社から配属された日本人で、この工場長は、中国人の目には彼らを上から見下す『天皇』的な存在に映る。その為、Qianさんは彼にどうしても親しみを覚えることが出来ないでいる。

この工場の新しいシステムには、親会社の日本での工場運営法がそのまま採用された。例えば、フレームワークのしっかりした5ヵ年計画や、より厳格な品質管理システム、均一給与制度などである。このような変化に中国人従業員は息苦しさを感じ始めている。特に、数人の日本人が常に彼らを監視・検査しているために誰もがプレッシャーを感じるようになった。Qianさんは、自分の部下をどのように動機づければ良いのか見当がつかず、部下との間の揉め事に悩まされた。Qianさんが英語を話せないという事実が状況をより悪化させている。

またQianさんには、顧客サービスに日本の顧客は神様、中国の顧客は２等市民、というような差別的基準が適用されているように思えてならない。職場環境がガラっと変わったことに対する一種の反応だろうと彼自身は納得しているが、ほとんどの中国人従業員は、自分達が日本企業の利益とイメージのための道具として利用されているのだと感じていることも事実である。

〔解説〕
囲い込んでそのフレームワークの中でこと細かく管理するのが日本人のマネジメントのやり方だとすれば、中国人は全く反対にフレームワークで縛られるのが嫌いである。中国人を動機づけるためにはゴールを明確に設定し、公正だと説明できる能力判定システムを導入し、成果をあげた者を優遇する方式が良い。

また、本土中国人のメンタリティが初めは熱烈歓迎でも外国企業（特に日本企業）が利益を上げ始めると、すぐに‘搾取する人’‘搾取される人’という共産主義のメンタリティに変わりやすいので注意する必要がある。

以上たった三つの事例であるが、

<strong>＊ </strong>必要な情報を与えないで“マイクロマネジメント”をヒトの管理に適応すると、現地人が急速にやる気を失くす。 

<strong>＊ </strong>動機づけの方法はその国の文化によって異なる

 ことが理解できる。

では、どのようにしたら、現地人の息苦しさや失望感を内から沸き起こる仕事の充実感や、やる気に変化させることができるだろうか？

ここで視点を転じて、日本でなぜモノづくり世界一の技術が開花したのか、その背景を探ってみよう。

私は日本におけるモノづくりの原理が、

・ 米国から戦後導入されたデミングの“品質管理（QC）”の教え
・ 日本土着の神道における“モノに魂をふきこみうる”という信念の共有
・ 中国本土から伝わった“道”（Taoism）の精神のよみがえり

という、東西三つの主要文化の要素が合体したアマルガメーションだとみなしている。つまり、マルチカルチュラリズムの“いいとこ取り”が起きた結果なのだ。デミングのQCについては、戦前、職人気質とか‘こつ’といわれたモノづくりの秘訣が、手順と規則と数値で管理できるようになったのはまさにパラダイムシフトであっただろうと想像がつく。

一方、日本人が意外に気づいていないのは神道の影響だろう。天皇制との癒着を取り除いた純粋な神道は、“モノに魂をふきこみうる”という名人芸の心髄を形づくっている。私は十数年にわたってアメリカの製造業者が日本の顧客企業の期待にそえず何度も品質面で問題を引き起こすケースを扱ってきた。しかし、神道の話しをすると効果があった。論理的に納得すればフラストレーションを解決策の模索に向けることができる。本土中国人は神道＝天皇制と短絡してとらえているので、このような説明は大きな抵抗を受けるに違いないが、根気よく説明すれば、日本への偏見を破る突破口になるかもしてない。（ところで、ある日本大手自動車会社の米国工場でモノづくりと神道の話しをしたら、さっそく日本人の人事部長から「宗教の話しをするのはやめて下さい」というメモがまわってきた。これが“マイクロマネジメント”の実態である。）

韓国経由で日本に移入される過程で仏教や民間療法と混じりあい形がはっきりしなくなった道教が、戦後の日本においてのみ“道”の精神としてよみがえったのはもっと注目してよい事実である。“道”が“改善”の推進力となった。日本では茶道、華道、ゴルフ道など全ての稽古事は“道”の精神に裏打ちされた精進による上達を求めているので、改善キャンペーンにもすんなり受け入れられたと思う。

“道”の特徴としては、学習の形態が型の模倣から出発すること、質問など軽々しくしないで身体が覚えるまで繰り返し練習に励むこと、小さな‘道’に励めばいつか大きな‘道’（つまり、人生とは何か？）を達観できる