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米国事業事始め 第十五章 人生のQCDMS [鈴木一広]
大昔の話、まだモーターの米国生産などは思いもつかない、ずっと以前の事、日本からの輸入時代の事ですから、1982年の頃の話です。
「モーターの取り付け部分に亀裂が入っていて使えない」
納入先からの苦情です。
不良現品を受け取ると、直ちに顕微鏡での破断面の組織検査をして、更に知り合いの大学の材料専門の教授にも破断部組織の検査、見解を求めました。
固い床面等への落下による衝撃破壊と断定されました。
調査を終えると、早速シカゴ郊外の顧客の工場を訪問致しました。
「こちらへ来る前に社内工程や輸送環境等、問題発生の可能性を調べてきましたが、まだ、完全な調査が出来ていません」
「亀裂発生のあらゆる可能性を調べて、再発を防ぎたいので、御社の工程も調べさせて下さい」
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米国事業事始め 第十四章 差別を無くして/モラルを高めて [鈴木一広]
企業活動をする上で、トップが取り組まねばならないのは、誰もが不等な差別などを受けずに、働く事の出来る職場環境を作る事でありましょう。
駐在員たちの多くが、米国での人種差別の問題に不安を抱いてやってきます。
特に、日系企業のトップの人達は、人種問題の実態が判らないだけに、どこまで深く入り込む事が出来るのか?不安を感じます。
しかし、社内のモラルを向上し、強い協力体制を築くには、平等、公平といった人事上の最重要事項は、何としても守らねばなりません。
どんなに難しくても、差別の問題を無視して通る事は出来ないのです。
1) 差別と区別の論議
日本企業の米国進出も、初期には大手商社か、メーカーでも大手の営業活動に限られていましたから、現地社員も少なくてすみました。
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米国事業事始め 第十三章 自己PRと面談/対話のすすめ [鈴木一広]
ここでいう自己PRの自己とは、勿論自分個人も含まれるが、日系会社が外資企業として新しい地域の仲間入りをさせて頂く以上、自社のPRが大切という意味も含まれます。
1) 三月弥生は雛祭り、五月皐月の鯉のぼり
「あの大きなフィッシュ(魚)は何ですか?」
5月が近ずくと、我が社では会社正面の国旗掲揚塔に、米国旗、州の旗、社旗と並んで勇壮な鯉のぼりが、天高く舞う姿が見られます。
社員たちは、最初は驚き、疑問を抱き、そしてこれが子供に夢を託す日本の大人たちの思いと判ると、我が社の自慢話となって、家族や友人に伝わります。社員たちも日本文化を知った事への優越感にしたるのです。
この地域では、日本文化の紹介として、毎年の様に大規模な「盆踊り大会」が催されます。
地元に永住する日本人の方達と進出初期の企業代表の方達が協力しあって始めてから、すでに20余年の歴史を持つ恒例の行事になっています。
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米国事業事始め 第十二章 日本企業の地域貢献/業界貢献 [鈴木一広]
日系企業の進出は、雇用の促進を中心に地域発展の目玉として各州が積極的に働きかけ、日米双方に良い経済的効果をもたらしました。
一方、地域との文化交流、また業界への貢献度を考えますと、その評価はまちまちで全てに合格と言えるかどうか、多少疑問も残ります。
勿論、企業進出初期の駐在員の人達にとっては、地域との友好関係をどのようにして築き、又、これをどう維持するか?これは重要な課題でありました。
特に、子女教育といった駐在員家族の抱える問題にどう対処すべきか?これらの問題を会社間の壁を超え、国籍を超え、地域の人たちの援助を受けながら、やって参りました。
ところが、駐在員達の代がわりと共にその熱意にも変化が出ています。
子女教育の為に、初期の人達が地方政府の協力を得たり、また自分達の力で必死に立ち上げた日本語補習学校でありますが、後任の駐在員達にとっては、日本語補習校が存在するのは、しごく当然の事であって、むしろ「義務教育なのにどうして授業料が必要なの?」といった程度の感覚でありましょう。
残念ながら、これが現状の姿かも知れません。
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米国事業事始めー第十一章 全員参加の経営/マイカンパニー [鈴木一広]
長い海外勤務中に、E-I活動で教えられた事が余りにも大きく、その後の自分の経営理念や又退職後始めたコンサルタント事業への影響も大きかった。
この章ではE-Iについて、もう少し触れてみる事にしたい。
そして、この活動を行うには、働く者同士が皆同じ土俵に立って同じ目線で物事を考える、要するに「全員が自分達の家族を守る運命共同体の様な意識」を持つ事が必須でもあった。
「E-I」は、所詮経営手法の一つに過ぎないが、自分自身が海外勤務者という立場を超えて現地社員と運命を分かち合う気持が必須で、それは経営の一手法というよりは自分の経営姿勢そのものとなった。その覚悟無しでは、決して取り組めない活動である事を実感した。
又、それは時として、一部の自己中心的な社員達との戦いの場でもあった。
従って、このE-I活動を交代要員として赴任された次期社長さんに引き継ぐ事は致しませんでした。
これは、決して次期社長には重荷だという事ではなく、会社の海外派遣計画からみて次期社長の駐在期間が、現地で骨を埋めるという状況には無い事が予想されたからであった。
日系企業の管理者としては当然の事ながら、「現地社員を上手に管理しようとか、指導して行こう」という意識がありますが、この意識だけでは、おそらく上手くいかないだろうと思います。
仕事を通じ、共に、苦しみ、楽しみ、勉強する中で、お互いに成長する事が活動の目的であるからです。
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アメリカ的交渉術 [安久和伸]
安久和伸
Dreamtec Consulting LLC
www.dreamtec.us
日本人の交渉下手は自他共に認めるところであり、特に外交交渉は苦手のようである。 これはやはり単一民族の特性なのだろうか。 米国のようにありとあらゆる人種が寄り集まっている国では、考え方や価値観の違う人達を説得し、納得させない限りは話しが思うように進まないから、子供の頃から交渉術は自然と身についてきたのではないだろうか。
米国の会社と価格交渉する場合はそれなりの策略を練らなければならない。 会社の買収などになると、それが、株式買収ならばいざ知らず、資産買収だと、暖簾代のような営業権はかなりの幅を持って値段が付けられるから、適正価格というよりは、交渉能力によって、売買価格は決まってくる場合が多い。 米国企業と交渉していて、最初のオファーで法外な値段を提示してくる場合がある。 日本的な感覚から言えばこんな価格を提示すれば相手が怒ってしまうというような額を提示してくる。 これは、米国企業の常套手段である。
米国事業事始め 第十章 働く仲間たちと家族 [鈴木一広]
会社全体に“全員参加の経営意識”を浸透させようにも、お互いの信頼関係も出来ていない中では、出来る筈も無かった。
「従業員の本当の気持を知ることだ!」
しかし、自信がなかった。
「会社に対する苦情、不満は上司が聞いても出てくる筈もないだろう」
「どこかに、よいコンサルタントはいないだろうか?それに頼もう」
従業員の本当の声を聞き出すにも、皆が正直に話してくれるのか?それよりも面と向かって不満を聞くのが怖かったと言えよう。
「我々に3ヶ月下さい。そして就業時間中になるが、全ての従業員との面談をさせてもらいたい。これにはマネージャー以上は一切関与しないこと」
コンサルタントは、きちんとした戦略を示し、3ヶ月経ったらモラル調査の結果をトップに報告しましょうと約束した。
そして、更に恐ろしいことを言った。
「調査結果による社員の苦情は、全て素直に受け入れてその検討をする事、そして全社員の前で、これを報告することを約束してもらいたい」
だが、コンサルタントは流石であった。全社員といったが、個人面談ではなく、グループ単位での面談を行った。
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