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紐育(ニューヨーク)と大阪 - 廣川 謙一
アメリカに住んで通算十八年になる。紐育(ニューヨーク)に行く度に、何故か大阪を思い出す。グランドセントラルに到着すると、大阪梅田の様な気がするし、ペンステーションに行くと、ふと難波を思い出す。中華街(チャイナタウン)の雑踏は、大阪ミナミを思い出させるし、タイムズスクエアのネオンのケバさ加減も、出している会社の名前も、道頓堀周辺などと変わらない。碁盤の目の様な一方通行の道路だって、紐育(ニューヨーク)と大阪は似ている。
人だって、紐育人(ニューヨーカー)と大阪人はよく似ているように見える。横断歩道の前に立ってみればよくわかる。どちらの町でも、歩行者は横の信号を見ていて、点滅が始まるともう歩き始める。信号が青になったときには、既に道を渡り終わっている。車だって、二車線を三台並んで走っても平気。割り込み、違法駐車、二重駐車ぜんぜん気にしない。生活ぶりも、普段は質素だが、使うときは綺麗に使う。
紐育(ニューヨーク)も大阪も実利主義だ。そして、どちらも油断していると、騙される。権威が嫌い。東京の電車の中で関西訛りを気にせずに大声で喋っている大阪人と、どこへいっても紐育(ニューヨーク)訛りを直せない紐育人(ニューヨーカー)は、似たようなメンタリティー気質
を持っているのだろう。
アメリカで成功している企業を見ると、長期に亙って成功している日系企業は不思議と関西系が多い。松下電器やサンヨーは明らかに関西系だし、ソニーも井深大氏は大阪出身、盛田昭夫氏は名古屋出身だが、大学は阪大だ。大阪の空気をいっぱい吸ったに違いない。コマツは出身こそ石川県だが、大阪の枚方が大きい。コマツアメリカで長年社長を勤め、キャタピラーをさんざん苦しめた故中村建一氏も大阪出身だ。そういえば、紐育(ニューヨーク)で会う日本人の中に関西訛りの人が多いような気がするのは錯覚だろうか。(なぜか、京阪電鉄沿線の会社ばっかりやなぁ! 霊験名水「淀川の水(サクセスウオーター)」の瓶詰でもアメリカで売ったろかな?)
大阪のコマーシヤル宣伝は、どう考えても紐育(ニューヨーク)のコメデイー話芸のノリである。大阪府警の駐車禁止の取締りのためのコマーシヤル宣伝や、キンチョー、タンスにゴン等、アメリカのギャグである。たぶん東京のエエカツコシイ広告代理店には無理。
一方、不思議なことに、日本で成功している外資系企業も、立上りが早いのは関西に最初の本社を置いた会社だ。たとえば、P&G、ネスレ、ユニリーバ等おそらく日本人は既に外資だとは思っていないほど、日本に浸透している。大阪を制すれば、日本を制す。
「モーヤン」こと山本猛夫氏は、小学校卒業後、丁稚奉公から一代で大阪いたちぼり立売堀で山善を築きあげた。花登筺の痛快小説「どてらいヤツ男」の、あの主人公の「モーヤン」です! そうそう、幸之助ハンかて、小学校卒業で、何と世界制覇でっせ。アメリカンドリーム浪花の夢どころか、ワールドドリーム世界の夢でっせ!大阪も紐育(ニューヨーク)も知恵と努力でなんぼでも成功できる。
大阪浪花のド根性は意外と紐育っ子(ニューヨーカー)の心意気と近いのかもしれない。
* * *
紐育(ニューヨーク)にアメドリという日本人向けの刊行物がある。その社主の板越ジョージさんがメールマガジンに「ニューヨーカーの条件」という連載をしておられる。読みながら、ふと大阪人を思い出した。私がここに書いたアナロジー類推は、おそらくまったくのデタラメ俗説だろうと思う。「タンツボ」と悪口をいわれた大阪と、洗練された紐育(ニューヨーク)が似ているなんて、ある訳ないじゃないか! と怒られそうだ。きっと、まだ正月のお酒の酔いが醒めていないのだろう。でも、最後に一言、「大阪人頑張れ!」
(二〇〇八年一月二日)
提携・合弁を考える - 廣川 謙一
提携とか合弁は不思議なものである。昨日まで競合していた(あるいは潜在的に競合関係にあった)会社同士が、今日からはパートナーとして一緒に仕事をすることになるのであるから、面白い現象によく遭遇する。
私は一九八五年から三菱重工業とキャタピラー三菱との合弁改定に係わった。面白い現象とは、昨日までキャタピラーがいかに優れていて自社がどれくらい遅れているかという事をいっていた三菱出身の人が、合弁を作るぞという段階になると、同じ人が掌を返したように、いかに自社が優れていて相手はだめかという議論をはじめたことである。以後、マッキンゼーやGE等で二十以上の合弁・提携を見てきたが、事業計画などに合弁設立前は「あの会社はすごい会社。うちの脅威!」などと言っていたのに、交渉になると突然「わが社は世界で一番優れた会社」に変身してしまうのを何度も見てきた。合弁とか提携の交渉でこの様な議論が出てくるのは、心情的にはよくわかる。交渉を自分に有利に運びたいという気持ちがあるからである。しかしこの議論を繰り返していても建設的な合弁・提携には至らない。これをどの様に打ち破るかは合弁・提携成功の大事なステップになる。
この様な状況を克服するためには、そもそも何故提携・合弁の話をしなくてはならなくなった事情を振り返ってみると良い。たとえば、三菱とキャタピラーの場合は、それぞれ単独ではなかなか小松の脅威を無くせなかったからではなかったか。それでは、キャタピラーも三菱も小松に比べれば大したことはないのではないか。大事なのは、顧客に小松ではなく新しい合弁の製品を選んでもらうことではないか。そのためには合弁の製品、組織、運営方法を、新たに対顧客、対競合という視点で考え直すということではないか。どちらかを選択しても、結局はその欠点の拡大に寄与しても、本質的な解決にはならない。むしろ、新たにビジョンを作りお互いどのリソースを出し合って、どのように組み合わせたら、顧客に選択してもらえるか、小松に対して優位に立てるかを、一緒に考えることであろう。実際、播州平野のど真中で、何週間かマーケティング、営業、技術の各部門の人間を缶詰にして侃侃諤諤の議論をしたのを覚えている。
この様な作業を一定期間一緒にやって見ると、副次的な効果も出てくる。仲間意識が芽生えることである。これがその後の合弁・提携運営への移行をスムーズにすることに役立つということは容易に想像がつくと思う。GEなども意識的にこのような事を行っている。ビジネスパートナーと会社から離れた場所で、両社の関係者を缶詰にしてワークアウトを行うのである。
* * *
多くの合弁・提携の交渉や設立後の運営がうまくいかないのは、「むこうの会社」と「うちの会社」という意識から、われわれという意識への頭の切替えがうまくいかないからだ。われわれとして現状認識が共有できれば、後は一緒に知恵を絞って考えることである。一緒にという点は、いくら強調しても強調しすぎることはないと思う。キャタピラーと三菱重工業との合弁が四十年以上も長続きしているのは、一緒にビジネスをするための工夫が随所に埋め込んであるからだ。
(二〇〇八年一月二日)
日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (11) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則 10:評価の相対性原理を適用する
この稿は最終回なので、私が米国で多文化/グローバル教育を始めた22年前から、悩み、戦い、憤慨し、何とか新しい説得性のある理論を突きとめたいと望んできた「グローバル時代の評価方法」について書いてみたい。
結論を先に言えば、限定された場で正当性を持つニュートンの法則が宇宙全体にはあてはまらず、アインシュタインの相対性原理を必要としたように、これまで長い間、各国や一つの文化圏で通用してきた評価方法がグローバルな場ではあてはまらないということである。あてはまらないどころか文化圏によって価値のコードが違うため、従来の評価方法は往々にしてネガティブな結果-傲慢、蔑視、切捨て、憎悪など-を生み出してきた。地球規模で通用する新しい評価方法が、今や“待ったなし”で必要なのである。
(1) Legal-Code、Moral-Codeでは評価基準が正反対
Legal-CodeとMoral-Codeの文化圏では価値体系が正反対なので、当然判定の仕方も反対である。具体例と問題解決のための新しいルールを考えてみよう。
〔経験1〕
日米では評価方法が違うと気づきショックを受けたのは80年代の中頃、ゼロックス社のロチェスター工場で日米クロスカルチュラルセミナーの初日が終わった時であった。当時は異文化ビジネスセミナーが登場したばかりで、IBC社は草分けと見られていた。トレーニング担当のアメリカ人の男性が現れて、「質問はたくさん出ましたか?」とたずねた。とっさに私の“日本的判断”が働いて「質問がたくさん出たのは私の(英語による)説明が下手な証拠だ」と思い一瞬戸惑ったが、仕方なく「かなり」と答えた。彼は「それは良かった。上手くいった証拠だ」と評価してくれた。
帰途、飛行機の中で、「なぜ質問がたくさん出ると成功なのだろう」と自問したことを覚えている。アメリカ人が日本やアジア諸国でプレゼンを行ったら、質問が出ないので失敗したと思うだろう。しかし、質問の数より質(深さ)の方が大切なのではないか?それはインストラクターだけではなく参加者の質や能力によるものではないか?疑問は次々に湧いたが、米国における制度としての評価方法や基準はもちろん変わることはなかった。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (10) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則 9:バーチャルチームの多用で成果をあげる
日本人の脳内ダイナミックスをグローバルな場に拡大する方法をこれまで様々な角度から説明してきた。その集大成ともいえるのが、どの国で働く人とでも必要ならば自由にバーチャルチームをつくって成果をあげていく「遠距離多文化チーム」づくりのスキルである。この21世紀に必要不可欠な能力を日本人がどのように身につけたらよいかを、これまでに受けた色々な質問に答える形で説明したい。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (9) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則 8:スピード>ディテール
グローバル経営に欠くことができない要素にスピードがある。スピード>ディテールとは、ディテール(詳細さ)をある程度犠牲にしてもスピードをとれということであり、ディテールにこだわる伝統を持ち、モノづくりに必要な細部へのこだわりをヒトづくりや経営戦略にもあてはめがちな日本人に特に注目をしてほしい法則である。勿論、もしスピードとディテールの両方を兼ね備えることができれば、その人あるいはその企業は“達人の域”にあると言えるだろう。IBMの元会長ルイス・ガースナーは確信を持って次のような経営理念を述べている。
「ビジネスは勝つことを目指した競争であり、実行するには速いスピードと効果的にこなせるだけの技量が問題になる。しかも一つの組織として統一的に明快に前進しなければならない。」(日経新聞 2002年11月29日)
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (8) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則 7:法的思考能力(Legal Mind)を身につける
日本人がグローバル市場で自信を持って戦略 をたて実践していく為に、もう一つ何としても 必要なのは、法的思考能力(Legal Mind)であ る。これが論理的思考に根ざしていることは既 に理解されている。
法律についての専門知識とその現場への適用は弁護士に任せて、私がここ数年、日本人とのビジネス上の付き合いを通して唖然としたケースをまず取り上げたい。そして、Moral Code社会で生まれ、育ち、仕事をしている日本人が“日本の常識は世界の非常識”を少しでも解消するには、どのような法的思考に基づく“常識”を身に付ければよいかを考えてみたい。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (7) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則 6:マルチカルチュラルレンズをはめる(続き)-国際合弁・買収における認識の違い
先回は、マルチカルチュラルレンズを通してグローバルビジネスを行う重要さと難しさを、日本からシンガポールへの赴任という具体例を用いて取り上げ、解決方法を示唆した。今回は、全ての計画や実践をひっくり返してしまう可能性さえ持つ、異文化間のオペレーション、特に国際合弁(JV)や合併・企業買収(M&A)における‘認識の違い’(perception gap)を取り上げたい。
[事例]
制御関係の機器を製造販売しているある日系企業が、ヨーロッパ市場で製品が補完関係にある欧州企業を買収した。この欧州企業は米国にも子会社を持っていたので、日系企業はその子会社も半ば自動的に傘下におさめることになった。
米国の子会社では、マネジメントも従業員も新しい親会社からビジョンや経営戦略が通達されるのを待っていた。従業員の中には、日本式経営について学ばなければと思う者もいて、皆緊張を隠せなかった。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (6) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則 6:マルチカルチュラルレンズをはめる
これは人間関係やコミュニケーションの基本中の基本でありながら、もっとも気づかれずにいる極めて重要な法則である。特に日本人の場合、(a)各々のレンズは異なってもほとんど全員が日本文化という厚いレンズを通して世界を見ているし、(b)理解のパターンが心情的である(‘お気持ちはよく判ります’、‘お察しします’)ため、この法則を本当に理解し実行するには、二重の努力を強いられる。“マルチカルチュラルレンズをはめる”とは、異なる価値観からなるモノの見方を共有し接点を探り、自分中心の見方を修正し、新しい理解、つまり、高次元(メタ)の理解に辿り着く過程を自分の技術にするということである。従って、キリスト教徒が回教徒のレンズをはめて世界を視るとか、日本人が韓国人、中国人のレンズをはめて日本人を視るというケースを考えて欲しい。この法則と法則1の“グローバルな視点”を内在させる、が合体すると劇的なパラダイムシフトが起こりうる。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (5) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則 5:“マイクロマネジメント”はモノづくりのみに
日本式マネジメントの特徴は、人を囲いこみ、数々の規則をあてはめ、こと細かく管理する“マイクロマネジメント(micro-management)”である。これは、日本の製造業がモノづくりにかけては世界一のレベルに達した秘訣であるが、これを海外でヒトづくりにもあてはめようとするので、多様な人々の動機づけに失敗する。海外だけではない。国内でももはや“マイクロマネジメント”方式で優秀な人材を育成するのはむつかしくなっている。日本企業のリーダー達は“知識産業時代”にグローバル規模で応用できるヒトづくりの秘訣は何であるか、じっくり考えなければならない時に来ている。
〔事例〕
日系の多国籍企業グループに属する二社が60-40の合弁で米国南部の州に工場を建てた。 新しいテクノロジーを使って不用になった親会社の製品を再生する事業である。日本の親会社から社長が派遣され、現地の米国人が副社長として雇用された。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (4) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則4:コードが違えばルールも違う(続き)ーReligious Code
今回は三つ目のコードであるReligious Codeに注目して、Moral Code, Legal Code と比較してみたい。Religious Codeとは宗教の教えが政治・経済・ビジネスの仕方、生活習慣にいたるまですべてを支配するケースである。従ってキリスト教はたとえ米国が非常時に際してプロテスタント原理主義に傾いていようとも、Religious Codeではない。Religious Codeは即、イスラムである。
世界人口の1/5以上を占め、さらに急速に増加しているといわれるイスラム教徒と、日本人はどのように波長を合わせてビジネスをしていけばよいか。次のような基本的理解と姿勢が、事例に行く前にまず必要ではないだろうか。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (3) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則4:コードが違えばルールも違うーMoral Code対Legal Code
前号で、コードが異なる国や社会では明文化された規則も不文律も異なるので、ビジネスの仕方がどう根本的に違うかをまず理解することが不可欠だと述べた。根本的な違いの一つはLegal CodeとReligious Codeは絶対性に根ざしているのに対して、Moral Codeはすべてが人間関係、状況しだいで変わりうる相対性の文化だということである。相対性の文化にどっぷりつかっている日本人がグローバル市場でビジネスをうまく行うには、絶対性とは何かを理解する必要がある。
今回は3つのコードのうち,Moral CodeとLegal Codeという相反するコードに注目し、主な相違点を事例に基づいて明らかにしていきたい。
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (2) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社
社長 渥美 育子
法則2:絶対軸を心の中に設定する
前回述べたグローバルにビジネスを行うための4つの条件のうち、第3の書き込み自由な絶対軸を心の中に設定する、は日本人にとってとりわけ重要なので、独立した法則としてもう少し説明したい。
日本人には絶対軸を持たない人が圧倒的に多い。軸があってもフニャフニャしていたり、相手によって軸をかえるので、何が基軸か分からなくなっている人が多数である。なぜしっかりした軸がないのか?
* ノーといっても“そこを何とか”と押し切れる人間関係万能、ゆうずうむげの文化、時空をさっと切った時キラリと光る断面に生を凝縮させるような俳句的感性を重んじる文化、に生きている
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日本企業のためのグローバルビジネス成功法則 (1) 渥美 育子
インターカルチュラル・ビジネスセンター社 社長の渥美 育子氏より、『日本企業のためのグローバルビジネス成功法則』というテーマでご寄稿いただけることとなりました。今月号よりほぼ1 年半にわたり、掲載いたします。
日本企業のためのグローバルビジネス成功法則
はじめに
世界トップレベルの“モノづくり技術”や、根回しに代表される意見調整、チームワークとコンセンサスを基盤とした和の経営―― こうした優れた資質を多く持ちながら、日本企業がいまひとつグローバル市場で突出できないのはなぜだろうか。プラザ合意後の超円高による経済破綻だけが原因なのか。日本人がグローバルリーダーになりにくいのは、言語の壁だけがその理由だろうか。
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ミュージカルの主流はヒット映画の舞台化 [松島恵之]
コンサート型ミュージカルの凋落
筆者は半年に1回NYを訪ね、滞在中に6本ほどのミュージカルを観ることにしている。驚くのは半年の間に消えてしまう公演がいくつもあることだ。19年も続いている「オペラ座の怪人」などがあるのとは対照的だ。
「キャッツ」の後のウィンター・ガーデン劇場で「オペラ座~」並みのロングラン公演になりそうなアバの楽曲を使った「マンマ・ミーア!」。人気歌手やグループのレパートリーからミュージカルにする傾向は、「マンマ・ミーア!」の大ヒットで一時は主流になりかけた。このコンサート・スタイルのミュージカル(ジュークボックス・ミュージカルと呼ぶ人もいる)は、その後に続くビリー・ジョエルの「ムービング・アウト」辺りは健闘したものの、エルビス・プレスリーの「オール・シュック・アップ」、ジョニー・キャッシュの「リング・オブ・ファイア」、ビーチ・ボーイズの「グッド・バイブレーションズ」、ジョン・レノンの「レノン」などの不振でいつの間にか傍流になってしまった。昔懐かしいヒット曲を流せばそれで客が来るのか、創造性に欠けている、と批判されている。ロンドンでヒットを飛ばしている期待のクイーンの「ウィー・ウィル・ロック・ユー」はラスベガス止まりで、ブロードウェイへの進出は噂だけ。ただフランキー・ヴァリとフォー・シーズンズの「ジャージー・ボーイズ」は客の入りが良い。ジャージーを着た少年と言う意味では無く、NYの隣の州、ニュー・ジャージー(NJ)の略がジャージー。1960年代にNJで育った不良少年4人組が、人気絶頂のポップ・ミュージック・グループになる過程を描いているだけに、リアルタイムで知っている中老年の多くの観客たちは地元NJからハドソン河を渡って応援しに来る。彼らの大ヒット曲「Sherry」「Can’t Take My Eyes Off You」などになると劇場中が歌いだす。おまけに今年はトニー賞のベスト・ミュージカルを受賞しているので尚更だ。しかし舞台は期待したほどは盛り上がらない。私見を言わせて貰えば、今年のトニー賞は「ドラウジー・シャペロン」に与えられるべきだったと思う。事実ノミネート数は「ドラウジー~」が13に対して「ジャージー」は8で、「カラー・パープル」や「パジャマ・ゲーム」よりも下である。
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話せ!しゃべれ!語れ! [中村正董]
マークなかむら
アメリカは不安の国です。世界中から他人が集まって来る。だから、この人が誰なのか、どういう人なのか、とても不安なのです。だから、黙っている人はそれだけで怖い人です。だから、下手でも何でも、しゃべることが生きること、仕事をすることだと覚悟することです。その内に、25%位の人が、英語圏以外から来た人で、英語に苦しむのは自分だけでないことが分かります。日本はしゃべったらいけない国。米国は語らなければ生きられない国なのです。アメリカ語も出来ないのに、それにしては皆嬉しそうな顔をしているですって?当然です。
